【2022年版】自治体DX化取り組み実態調査レポート|栃木県宇都宮市

【2022年版】自治体DX化取り組み実態調査レポート|栃木県宇都宮市

更新

近年、デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)、ICT、IoTといった言葉を耳にする機会が増えました。新型コロナウイルスの影響で、テレワークの推進や業務のリモート化などが急務となり、DX化を進める流れになったことが主な要因と考えられます。

加えて、SDGsの達成に向けてもDX化は重要な取り組みです。DX化による業務の効率化や省人化は、SDGsの達成にはほとんど必須であると考えられていますし、同時に日本が直面する人口減少への対応策になっています。そのため、コロナ後の社会に向けて、DX化を活発に進めている自治体や企業が増えています。

一方で、DX化には課題も多く、なかなか取り組みが進まない自治体も少なくないと思います。そこで本記事では、DX化へ積極的に取り組む先進的な自治体を取り上げ、独自に設けた評価項目で採点し、その取り組みのポイントをかんたんにまとめてご紹介します。

自治体DX化の取り組み評価

目的と方法

これからDX化に向けて取り組む自治体や企業に向けた情報発信を目的として、DX化に積極的に取り組む自治体における「DX化の現状」「DX化に向けた課題」を整理し、実際の事例や画期的な取り組みをピックアップして解説していきます。

「DX化の現状」について、当社では、取り組みの進行度やDXの充実ぶりを可視化するために、当社予約システムに関する全国の自治体からのご相談、お問い合わせ、受注実績やノウハウを基にして、自治体におけるDXの取り組みについて31の評価項目を独自に作成しました。

自治体DX化の取り組み評価では、この評価項目を元に評価、採点を行っていきます。

評価項目

作成:RESERVA編集部

現時点での課題

  • DX人材の不足
    現状、日本においてDX化に携わる人材が不足しており、企業・自治体を問わずDX化を推し進める上での障壁となります。既にスキルを持っている人材を獲得、あるいは人材の育成に取り組むか、または人材を確保している企業と組んで外注するか、いずれにせよDX化に向けて確実に解決するべき問題です。
  • DX化、ICT活用の専門部署がない
    日本の組織の多くはIT戦略を含めたDX化、ICT活用を行う部署が用意されていません。日本の行政機関としてデジタル庁が新設された事は記憶に新しく、DX化を推し進める上の方針の策定や施策を推進する上で専門部署の設立は必要だと考えられます。
  • 地域ごとの財政規模、財源の違い
    財政規模や財源の違いによって、DX化に向けた投資に踏み切れない自治体は多いと思います。DX化を進めることで財政の立て直しやサービス向上など付加価値が得られ、自治体としての価値を高められるのですが、実例がまだ少なく手を出しにくいのが実状のようです。
  • 住民本位の取り組みになっているか
    DX化は単なる業務の効率化のこと、あるいはICTと混同されがちなキーワードです。DX化の最大の目的はサービスの質や生産性の向上であり、市民に寄り添いながら、本当に市民が求めていることは何か、その上で取り組むべきことは何かを精査していく必要があります。
  • 多言語への対応が可能になっているか
    日本に在留している外国人は令和3年6月時点で約282万人で、日本の人口の約2%に相当します。SDGsなどの観点から見ても、各自治体において多文化共生社会の実現は重要な目標であり、その一端を担う在留外国人への取り組みが必要であることは間違いありません。

DX・ICTの違い

ICTは「Information and Communication Technology」の略で、「情報通信技術」のことです。メールやSNS、チャットなど、情報をやり取りするためのサービスを指すほか、近年のAI、IoT化の進展により世界的にその技術領域は拡大しつつあります。
DXは「Digital Transformation」の略称であり、直訳すると「デジタル変革」です。DX化はICTやIoT(Internet of Things)をツールとして利用して日常生活やビジネスの質を高めることが目標となっています。
ICTの活用はDX化に含まれますが、DX化はICTの活用を含めた様々なアプローチで実現されるものというのがポイントです。

宇都宮市の評価と解説

当社独自の調査項目に照らし合わせた結果、宇都宮市の得点は31点中29点という高い点数を記録しています。よって、当社は宇都宮市を全国でも高水準でDX化に取り組んでいる自治体だと評価しました。宇都宮市は「第4次宇都宮市情報化計画」を策定し、地域課題の解決や地域活性化にICTを活用することで、市のDX化を精力的に推し進めています。そんな宇都宮市の取り組みの中で特に注目されるポイントについて解説します。

評価結果

作成:RESERVA編集部

うつのみやデジタルスクエア

宇都宮市は「スーパースマートシティ」実現には、地域社会全体のデジタル化が必要であると考えています。そこで、まちづくりの担い手である地域活動団体を対象に、デジタル技術に興味・関心を抱き、活用するきっかけづくりの場、デジタル化に向けた交流の場として「うつのみやデジタルスクエア」を開設しました。

スマートシティとは

内閣府は「ICT等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営等)の高度化により、都市や地域の抱える諸課題の解決を行い、また新たな価値を創出し続ける、持続可能な都市や地域であり、Society 5.0の先行的な実現の場」(内閣府ホームページより引用)と定義しています。

うつのみやデジタルスクエアは、学びの場と交流の場の2つに分かれています。学びの場では、デジタルに関する様々な情報を発信しており、デジタル技術活用にあたり必要な知識を学べます。具体的には、地域でのICT活用事例の紹介やセミナー開催をしています。

交流の場では、デジタル技術に関する悩みや疑問を専門家に相談することが可能です。質問掲示板が用意されているため、気軽に相談できる環境が整っています。また、質問によって専門家を選んで質問することも可能で、手厚いサポート体制が整っているため、基礎知識がない人や不慣れな人もデジタル化への一歩を踏み出すことができます。

手続きのオンライン化

宇都宮市では、各種手続きのオンライン化が推進されています。具体的には、検診や新型コロナウイルス接種検診のオンライン予約やマイナポータルを用いた電子申請などが挙げられます。これらをオンライン化するメリットとしては、

  • 市役所や地区市民センターに出向き、長い時間待機する必要がなくなること
  • 書類記入の必要がなくなること
  • 場所時間を問わず、予約・申請できること

などが挙げられます。それと同時にソーシャルディスタンスの徹底や、市民と職員の負担削減を実現できます。また、宇都宮市市役所では証明書発行の手数料や市税にキャッシュレス決済が取り入れられています。キャッシュレス決済を取り入れることで支払いがスムーズになり、窓口対応時間の短縮・現金取扱業務におけるキャッシュレス化が図られます。さらに市民ニーズや新しい生活様式にあった納付環境を整備することで、納期内納付が期待できます。

デジタルデバイド対策

宇都宮市はICT(情報通信技術: Information and Communication Technology)の進展や社会環境の変化に対応し、市のDX化を推進させるために数々の施策を打ち立て、積極的な取り組みを見せています。デジタル化を進める中で、課題となってくるのはデジタルデバイドです。

デジタルデバイドとは

外務省は「一般に、情報通信技術(IT)(特にインターネット)の恩恵を受けることのできる人とできない人の間に生じる経済格差」(外務省ホームページより引用)と定義しています。

宇都宮市ではデジタルデバイド対策として、デジタル活用支援講習会やシニア向けオンライン体操教室を開催しています。高齢者やデジタル技術に苦手意識がある人も取り残さないことは、地域全体のDX化を実現するには必要不可欠です。このような取り組みは宇都宮市のスーパースマートシティ実現に大きく貢献するでしょう。

デジタル化を用いて市民とのつながりを強化

宇都宮市は多様な情報発信ツールを有しています。特にLINEでのサービス「教えてミヤリー」では、子育て世代の生活様式の多様化に合わせて、365日24時間いつでも気軽に子育てやごみの分別、住まいに関する質問ができます。

また、市が作成しているごみ分別アプリケーション「さんあ~る」では、いつでもどこでもごみの分け方や出し方、収集曜日などを簡単に検索することができます。このアプリは英語、中国語、韓国語、タイ語、ポルトガル語、スペイン語、ベトナム語、ネパール語に対応しており、多くの層の人々の生活に役立っています。

評価項目

今回は、自治体の公式サイトのページや自治体の取材記事などを基に、DX化に関する自治体の取り組みの有無について独自に調査しました。ここでは、採点に利用した31項目を3つの観点について分類した上で、DXにおけるポイントやユーザーフレンドリーな自治体作りについて解説します。

方針・施策について(観点①)

DX化を進める上での方針や施策、DX化やICT活用に関する部署の有無、都道府県・民間企業との連携、プロモーションにおけるメディアの活用など、DX化に向けた組織作り、方向性などが示されているかを評価しました。

  • 民間との連携によるプロジェクト企画が行われている
  • 都道府県と連携し、市区町村独自でのデジタル化指針を公表している
  • SDGsに対するデジタル施策が公表されている
  • 自治体主導でDX人材の育成を宣言し行っている
  • DX推進課やICT活用など明確にDX化に関する部署がある
  • Webを通じたプロモーションがメディアに取り上げられている

業務の効率化について(観点②)

ICTを活用した業務の効率化の中でも、特に自治体側における取り組みについて評価しました。ペーパーレス化やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の利用や予約システムの導入など業務の単純化・省人化に関するものが主に含まれます。

  • 施設利用などに予約システムの導入を行っている
  • オンラインセミナーなどWEBツールを利用する仕組みがある
  • WEBツールを活用した業務・活動の実績がある
  • テレワークの導入、印鑑廃止などの取り組みがある
  • ペーパーレス化(証明書関連のデジタル化)が進められている
  • ワクチン接種情報について特設サイトを設けている
  • ワクチン接種の運用において、オンライン申請等デジタル活用が進んでいる
  • 定型業務や単純業務にRPAを利用している
  • 役所内にフリーアドレスを導入している

住民向け・ユーザーフレンドリーについて(観点③)

DX化として重要な観点となる住民向けの取り組みで、行政の手続きや情報発信においてユーザーフレンドリーになっているか、あるいはICT教育、デジタルデバイドの解消など住民がよりよく暮らせる取り組みがなされているかを評価しました。

  • 公式ホームページの更新頻度は3日に1度以上である
  • ホームページにアクセスする上でサイトの表示速度が十分にある
  • YouTubeチャンネルがある
  • Twitter/Instagram/Facebookの公式アカウントがある
  • SNSの更新頻度は週1以上ある
  • 行政に関する住民の質問にチャットボットなどを導入して対応している
  • 役所窓口や管轄の公共施設でキャッシュレス決済を導入している
  • 納税をキャッシュレス化している
  • 緊急時などのメール通知機能がある
  • 自治体が提供するアプリケーションがある
  • LINEによる相談窓口、情報発信体制がある
  • 教育ICT(教育用タブレットの配布など)に力をいれている
  • 高齢者とのデジタルデバイド解消に取り組んでいる
  • 住民票の写しや税証明などがデジタル上のツールで申請可能である
  • 事業者向けの診断システム(例:補助金、助成金)を導入している
  • 多言語(3言語以上)に対応している

これらの評価項目は、他の自治体の調査を継続しながら、随時追加、更新していく予定です。

宇都宮市|調査のまとめ

宇都宮市では、DX化に向けて役場の改革・オンライン化、地方活動団体の支援を積極的に行っています。その一方で、高齢者やデジタル技術に不慣れな人も取り残さない対策を行うことで、市全体の情報化を促進させてきました。オンライン化にともない、対面でのやり取りは減少しますが、AIの導入やアプリ運用によって住民の生活に寄り添った親切な対応を実現しています。

そんな宇都宮市の今後の取り組みとして期待されるのは、事業者向け診断システムの設置です。自治体が提供している助成金制度や補助金制度は数多くあります。そのため、どの制度を活用できるか分からない、制度の内容が理解しにくい、申請手続きが難しいなどの理由から、事業者自身も自社に当てはまる制度を見つけられないケースも多くあります。新型コロナウイルスの影響で補助金制度利用の需要は高まっているため、診断システムの導入が期待されます。

宇都宮市は、全国の自治体と比べても先進的にDX化に取り組んでいることが分かりました。今後は上記の項目などの改善・向上に向けた取り組みが期待されます。

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地方自治体におけるRESERVA予約システムの活用

宇都宮市でも行われているDX化による利便性の向上や、ICT活用による業務の効率化、省人化。こういった課題にかんたんに取り組めるのが「SaaS型予約システムの導入」です。当社が提供する予約受付システムRESERVA(https://reserva.be/は、20万の事業者・官公庁に導⼊されている国内最⼤級のSaaS型予約システムであり、人口20万人を超える規模の自治体のほか、人口5万人以下の小規模な市町村でも導入実績があり、最も選ばれている予約システムです。業務の効率化を進めて、より先進的な地方自治体の仕組みを作りましょう。

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