長野県塩尻市|スマート田園都市に向けた自治体DXや独自のデジタル人材育成による地方創生を紹介!

長野県塩尻市|スマート田園都市に向けた自治体DXや独自のデジタル人材育成による地方創生を紹介!

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現在、地方自治体では、過疎化や少子高齢化による労働人口の減少が問題視されています。それに伴って自治体運営の担い手の減少や税収の減少による財政難が深刻化しているにも関わらず、住民のニーズの多様化や最近では新型コロナウイルスへの対策など、自治体に求められる業務は増加しています。

そこで解決策として注目を集めているのが自治体DXです。デジタル技術を自治体運営に取り入れることで、業務の効率化や省人化、財政負担の軽減につながるからです。

長野県塩尻市では、「誰からも喜ばれるスマート田園都市 しおじり」を目指して、自治体DXを取り入れた地方創生プロジェクトや独自のデジタル人材育成を行っています。本記事では、そんな塩尻市の取り組みについて事例をあげながら紹介します。

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長野県塩尻市の基本情報

人口 65,912人
面積 290.18㎢
公式ホームページ https://www.city.shiojiri.lg.jp/
市役所住所 〒399-0786 長野県塩尻市大門七番町3-3
主な観光地 奈良井宿高ボッチ高原よしうみバラ公園の花だよりなど
本社を置く企業 ありがとうサービスサンケイ設計株式会社 など

塩尻市は長野県の中央に位置し、東京からは車では中央自動車道で約3時間、電車では新宿駅からJR中央本線特急で約2時間40分で訪れることができます。同市の高ボッチ高原は、映画「君の名は。」のモデルになった場所で、日中は北アルプスや富士山を、夜間は市内の美しいライトアップを一望することができます。

そんな塩尻市では、2021年より「誰からも喜ばれるスマート田園都市 しおじり」を基本理念とした自治体DXによる地方創生が進められています。

自治体DXによる地方創生プロジェクト

自営型テレワーク推進事業「KADO(カドー)」

塩尻市は、子育てや介護、障がいなどで就労に時間的な制約のある人でも働きやすい環境づくりをするべく、地域就労支援モデル「KADO」を立ち上げました。

KADOは、地域企業や自治体から仕事や案件を受注して、その業務を分析し、時短就労が可能な形にするために、プロセスの細分化やマニュアルの作成を行っています。そして、その仕事をKADOに登録している時短就労希望者に業務委託する形で就労支援を行っています。

KADOの案件はすべて、専用のコワーキングスペースか在宅でできるようになっており、専用のコワーキングスペースは、こども広場や図書館、託児所のような公共施設と併設する場所に設置されています。また、テレワークに必要な機器の提供や人材コーディネーターによるサポートも行われており、働きやすい環境づくりが徹底されています。

KADOは、クラウドソーシング・テレワーク・コワーキングを組み合わせた、地方都市における新たな働き方として注目を集め、現在では塩尻市だけでなく他の10の自治体へ水平展開を行っています。

シビックイノベーション拠点「スナバ」

塩尻市はコワーキングスペース「スナバ」を開設しました。WiFiや電源だけでなく、コーヒーやプリンターも完備しており、平日の11:00から17:00まで、誰でも無料で利用することができます。

さらに、スナバは単なるコワーキングスペースでなく、シビックイノベーションの場としての役割も担っています。起業家やフリーランス、サラリーマンや学生など、月額の会費を支払った多様なメンバー同士で、社会課題や地域課題を解決するような事業の立案や実行が行われています。

スナバは、社会的効果や持続可能性のある事業や、新しいしくみを生み出す人々を生み出す場としての役割が期待されており、そういった課題意識を持った想いのある人に、必要なリソースやメンバー同士のディスカッション・オンラインセミナーのような学びの場を提供するといった事業を行っています。

塩尻MaaSプロジェクト

塩尻市は、免許返納者や観光きゃのの移動手段の確保やバス運転手の高齢化などの課題を解決し、より便利な公共交通の実現を目指して2020年に塩尻市MaaSプロジェクトを発足しました。自動運転技術やAI活用型オンデマンドバスなどの次世代モビリティサービスを活用した実証実験を行っており、完全実装に向けてさまざまな取り組みが進められています。

2021年11月より、AI活用型オンデマンドバス「のるーと塩尻」の実証運行を開始しました。のるーと塩尻は、利用者が乗りたい時にアプリや電話で呼べる新しい「乗合バスサービス」で、AI(人工知能)が乗合状況や道路状況に応じて、適宜効率的なルートを作り運行します。塩尻市では市営バスの運行を行っていますが、運転手の高齢化や採算などの課題を抱えており、市民や観光客の新たな移動手段としての役割が期待されています。

また、自動運転技術の向上に必要なデータの取得や自動運転車両に対する地域の社会受容性の向上等を目的とし、バス型自動運転車両の走行実証実験を行いました。さらに、自動運転車両の制御に用いる高精度3次元地図は「KADO」を通して子育て中の地域住民に作成依頼したものを利用しています。

DX人材の確保

塩尻市では、さまざまな方面から自治体DXが行われていますが、それに必要なDX人材の確報や育成にも積極的に取り組んでいます。

塩尻市ICT人材育成事業 ずく塾

塩尻市は、ICTを活用し課題解決の糸口を生み出せる人材の育成を目指して、塩尻市ICT人材育成事業は「ずく塾」を立ち上げました。ずく塾とは、塩尻市ICT人材育成事業で行う講座の総称で、主にこども向けにプログラミングやゲーム開発、ドローンやロボットのような電子工作の講座を開催しています。

また、塩尻市では中学生以上を対象に情報セキュリティの勉強会やワークショップも定期的に開催されています。詳しい情報は塩尻市デジタル戦略課の公式サイトをご覧ください。

塩尻市デジタル戦略課 公式サイト

日本ディープラーニング協会との提携

塩尻市は2021年8月に、一般社団法人日本ディープラーニング協会の行政団体として入会し、デジタル人材の育成において連携することを発表しました。塩尻市は、自治体DXを進めていく上ではマネジメント層や実務層など全職員が、DXの本質的な価値や可能性を理解する必要があると考えており、職層に応じたDX人材育成プログラムを展開する見込みです。

日本ディープラーニング協会は、AI For Everyoneなど独自カリキュラムの開発や、G検定やE資格など資格試験の創設など、デジタル人材の育成に尽力しており、塩尻市ではその知見を活かしたデジタル教育が期待されています。

(参考記事:JDLA行政会員として10団体が入会|日本ディープラーニング協会公式サイト

全国からハイクラス副業人材の募集

塩尻市は、ハイクラス人材のキャリア戦略プラットフォーム「iX(アイエックス)」と提携して、副業限定で地方創生推進課の人材を募集しました。仕事はリモートワークで行われるため、場所を問わず全国から質の高い人材を確保することができます。

2019年の募集では、2枠の募集に108名の応募が集まり、大手外資企業でのシニアディレクターやスタートアップの立ち上げのスペシャリストなど、塩尻市という枠を超えた人材を迎え入れることに成功しました。

詳しい募集内容はiXの募集ページをご覧ください。

塩尻市役所の地方創生推進課で、副業限定の特任CMO・CHROを募集|iXキャリアコンパス

塩尻市の補助金や助成金制度

移住者支援

塩尻市移住・定住促進居住環境整備事業補助金(空き家補助金)

塩尻市は、市内への移住者の住居として、空き家の活用を積極的に行っています。その一環として、空き家の整備や回収に補助金を給付しています。

事業名補助率限度額
空き家整備事業 2分の110万円
空き家改修事業 2分の1 50万円

その他詳しい要件などは、塩尻市の公式ホームページをご覧ください。
塩尻市移住・定住促進居住環境整備事業補助金(空き家補助金)について|塩尻市公式ホームページ

企業支援

中小企業人材能力開発事業補助金

中小企業者やその従業員の能力開発を促進するため、公的機関の研修講座の受講に係る経費の一部を助成しています。

事業名 補助率 (1企業当たり) 限度額 (1企業当たり)
中小企業人材能力開発事業 受講料の50%以内 年間20万円

その他詳しい要件などは、塩尻市の公式ホームページをご覧ください。
中小企業人材能力開発事業補助金|塩尻市公式ホームページ

サテライトオフィス支援事業補助金

塩尻市では、企業誘致により地域経済の活性化を図るため、県外企業等が市内にサテライトオフィスを整備する経費や賃料等に対して、その一部を助成しています。

事業名補助率 (1事業者当たり) 限度額(1事業者当たり)
サテライトオフィス支援事業 対象経費の50%以内 200万円( 整備支援事業 )
月額5万円以内かつ3年間( 家賃支援事業 )

その他詳しい要件などは、塩尻市の公式ホームページをご覧ください。
サテライトオフィス支援事業補助金|塩尻市公式ホームページ

RESERVAで自治体DXを推進

長野県塩尻市で積極的に開設しているコワーキングスペースなどにおいての予約受付業務や会計業務を省人化、デジタル化できるのが「予約システム」です。当社が提供する予約受付システムRESERVA(https://reserva.be/は、18万を超える事業者・官公庁に導⼊されている国内最⼤級のSaaS型予約システムであり、人口20万人を超える規模の自治体のほか、人口5万人以下の小規模な市町村でも導入実績があり、最も選ばれている予約システムです。さらに、Zoomとの連携機能を搭載するなど、業務のデジタルトランスフォーメーションを図れるため、 スマートシティ化をさらに推進することができます。

予約システムRESERVAの概要はこちら

地方創生事業への導入事例(各項目概要ページにアクセスできます)

自治体で活用されている予約サイト紹介

まとめ

塩尻市では、「誰からも喜ばれるスマート田園都市 しおじり」を目指して、自治体DXによる地方創生プロジェクトが数多く行われています。また、それに必要なDX人材の確保や育成も積極的に行っています。今後もデジタル技術の発展、浸透に伴いさまざまな取り組みが社会実装されることで、業務効率化や省人化が期待できます。その1つの手段として、人件費の削減、イベントや施設運営などの自動化を可能にした予約システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか?

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