コロナウィルス(COVID-19)の影響で、従来通りの施術や診療ができず、慣れない対応に手いっぱいになってしまっているクリニックも多いと思います。しかし、こんなときこそ将来を見据え今後のクリニック運営を再び軌道に乗せるために、
「コロナ禍後(アフターコロナ)の集客戦略を今のうちに立てておくこと」
このことが大切です。
このシリーズでは業種毎のアフターコロナの集客ノウハウについて紹介します。今回はアフターコロナでクリニック運営を軌道に乗せるための3つの条件についてお話しします。
クリニックの取組み
全国のクリニック・病院では、コロナウイルスに対して様々な取り組みを行っています。
まずは、クリニックが行っている代表的なコロナ対策をご紹介いたします。
1.検温
クリニックや病院では、受付で検温をしているか、あるいは事前に家で体温を測ったうえでご来院いただくところがほとんどです。事前アンケートではもちろん体調や発熱の有無をヒアリングしますが、当日の体温チェックはしっかり徹底して行いましょう。
また、患者様だけでなくクリニック内のスタッフもこまめな検温は欠かせません。
2020年5月7日までは厚生労働省が公表したコロナ感染の定義として「37.5度以上の発熱が4日以上」がありましたが、2020年5月8日からは発熱の度数や日数に関する具体的な定義は削除されました(参考記事:「37.5度以上」削除 PCR相談目安改定 幅広い受診促す(日本経済新聞))。
しかし37.5度以上の発熱がある場合、新型コロナウイルス感染症感染の疑いを懸念し行動制限する方針を打ち出している事業者、自治体も多いため、検温の有効性は依然高いままといえます(参考文献:新型コロナウイルス感染症について(東京都福祉保健局))。
店舗による検温では主に額や手首から体温を測定可能で、なおかつ機器が直接皮膚に触れない「非接触式体温計」が推奨されています。
2.除菌の徹底
コロナウイルス感染予防において、除菌は非常に有効な手段です。
クリニックによっては、体調がすぐれず免疫があまりない患者様が来院される場合もあるので、できるだけ人が触れる部分全ての除菌を徹底して行うようにしてください。
アルコールの他に、次亜塩素酸精製水もコロナウイルスへの有効性が確認されています。
ただし、空気清浄器のような機器やスプレーボトル(霧吹き)での空間噴霧に関しては意見が割れており、現状は行うべきではないとの風潮が強いようです。
消毒・殺菌に関する詳細な情報を下記リンクにまとめました。
参考記事:新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページ)
参考記事:「次亜塩素酸水」の使い方・販売方法等について(製造・販売事業者の皆さまへ)(経済産業省、消費者庁、厚生労働省)
3.マスク/ゴーグル/手袋/フェイスマスク
除菌・殺菌を徹底したうえで、マスクやゴーグル、使い捨て手袋を着用するとより強力にコロナをブロックできます。
コロナウイルス(COVID-19)はのどや目の粘膜から感染するとされており、マスクの他にゴーグルも感染予防として有効です。
クリニックの診療中には、患者様とスタッフが至近距離で接することもあると思います。マスクの着用はスタッフ患者ともに、徹底して行うようにしてください。
公益社団法人 日本医師会 では、
このようなコロナ対策ガイドラインも発行しています。他のクリニックや病院のコロナ対策もあわせて参考にし、より良いウイルス対策を行っていきましょう。
コロナ禍後に生き残るクリニック、3つの条件
コロナ禍~コロナ禍後にかけて、クリニックの運営者が意識的に行うべき対策を3つの条件としてまとめました。
1.「3密」を避ける
「3密」とは「密接」「密閉」「密集」のことを指します。
クリニックでは、施術中や診療中は患者とスタッフの距離が必然的に近くなり(密接)、院内はある程度狭い空間で診療が行われます(密閉)。また、患者同士が近くなることはあまりありませんが、診療中や施術中はやむを得ず1つの空間に集まることがあります(密集)。
以上のことから、クリニックはコロナ禍では避けるよう言われている「3密」の定義に合致しているといえるでしょう。
では、クリニックが「3密」を避けて運営するには、具体的にどのような方法があるでしょうか。
下記に列挙してみます。
「密接」を避ける方法
・マスク・フェイスシールド・手袋の着用
・院内での会話を最小限に抑える
・対面でなく、オンラインや電話で予約の手続きを行う
・現金やクレジットカードではなく、電子マネーの利用を促す
これらの施策は、コロナウィルスが「接触」「飛沫」によって感染することが判明していることから推奨されています。直接何かに触れたり、唾液から感染することを未然に防ぐ意識を持つことが大切です。
また、最近では、シャープが曇りにくくテカらない最新のフェイスシールドを発表し、大きな話題となりました。(シャープの最新フェイスシールドを紹介している記事はコチラ)
細かい施術を行うとなるとフェイスシールドで施術しにくくなる可能性があるためマスクの着用が最適ですが、施術を行わない受付スタッフなどは、できるだけ表情がよく分かるフェイスシールドを使用するのもおすすめです。
「密閉」を避ける方法
・院内を定期的に換気する。または可能であれば窓を開けたままにしておく
・患者様が外気に触れられるよう、建物外への経路を知らせる
院内の空気を入れ替えないまま循環させていると、もしコロナウィルスが紛れ込んだ時に逃げ場が無くなってしまい、感染リスクが上がると言われています。
空気の入れ替えを徹底しましょう。
「密集」を避ける方法
・患者様同士ができるだけ一定の距離を保てるよう、時間で区切って施術を行う
・場合によっては整理券を配り、待合室での感染拡大を防ぐ
「密集」に関しては、病院やクリニックの規模やそこに集まる人の数で大きく深刻度が変わります。狭ければ狭いほど、また人が密集しやすければしやすいほど対策を講じる必要性が高まります。
厚生労働省が発表した
新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」の実践例
によると、
人との間隔は、できるだけ2m(最低1m)空ける。
とあります。
院内で2mの距離を空けることは、なかなかに難しいものです。しかし2mが難しくてもその半分の1mでしたら実現可能性がぐっと高まります。
可能な限り「人と人の距離(ソーシャルディスタンス)をとる」ことを心掛けていきたいものです。
2.衛生管理を徹底する
クリニックや病院では、施術を行うスタッフと患者様が近い距離で接することが多いため、スタッフと患者様の間で感染が広がる可能性についても非常にシビアになる必要があるでしょう。
具体的に気を付けたい点は、
・クリニックスタッフは作業前に消毒する
・院内のすべての器具や共同施設のアルコール消毒を徹底する
・備品や器具は洗浄・消毒・殺菌の3ステップで清潔に保つ
・使い捨てに切り替えられるものを探してみる
・院内の清掃を定期的に行う
・スタッフの健康管理をしっかりと行う
などです。
ほとんどのクリニック・病院業界ではコロナ禍の影響を抜きにしても、普段から厳格な衛生管理を行っていることと思います。
しかし人々の衛生意識が非常に高まっている昨今、患者様に安心感を与えるという意味でも、より一層の衛生意識を持つ必要があるでしょう。
3.コロナ対策への取り組みを周知する
ここまでお話ししました内容は、コロナウィルスの感染を予防するための対策をまとめたものでした。一方、本項では前述の2項とは少し毛色が異なり、「クリニックの運営にあたってプラスになる」施策についてご紹介いたします。
「3密」への配慮も、衛生管理の徹底も、クリニックがそれをしっかりと行っているかどうか、観客からはあまり見えません。ですので、患者様へのアピール活動の一環としても、「どのようなコロナ対策を行っているか」を明示することは必要なのです。
例えば、
・感染予防への取り組みを記載した張り紙やボードを会場内に設置する
・各自治体が発行している「コロナ対策認可」ステッカーをクリニック内の目立つ場所に貼る
・ホームページや予約サイトに、コロナ対策や衛生管理に関する取り組み内容を記載する
などがあります。
ホームページや予約サイトにおけるコロナ対策アピールは忘れがちですが、インターネット上で不特定多数に閲覧される為、アピール効果は絶大です。
RESERVA予約システムでできる周知方法
例えばRESERVA(レゼルバ)予約システムでは、
- 感染予防対策実施の文言をサイト情報に記載
(管理画面>基本設定>ビジネス情報登録>サイト情報)
- サイト情報の写真を感染予防対策している画像に変更
(管理画面>基本設定>その他詳細設定)
- 予約時のアンケートにコロナウィルスに関するチェック項目を設ける
(管理画面>高度な設定>顧客項目設定・予約時アンケート設定>予約時アンケート設定ボタン>質問を作成する)
- コロナウィルス関連の情報をメールにして自動配信
(管理画面>顧客サポート>お知らせ作成>お知らせ作成ボタン)
このような予約サイトの訪問者に向けた感染予防対策アピールが簡単な設定で行えます。
お客様がネットから予約する際に、必ず利用する予約サイト。
クリニック患者様の目に触れる機会の多い予約サイトだからこそ、コロナ対策への取り組みをお客様にお知らせできるのです。
コロナ禍が終息した後、クリニックの運営を軌道に乗せるために必要な「3つの条件」についてご紹介いたしました。
感染予防対策をしっかりと行った後には、必ずホームページや予約サイト上でのお客様アピールを行いましょう。そうすることで、コロナ後の観客離れを最小限に食い止めることができます。
以上の点をクリニック運営にお役立ていただければ幸いです。
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