コロナウィルス(COVID-19)の影響で、実店舗を構える多くの事業者が業務縮小を余儀なくされるなど、苦境に立たされています。しかし、こんなときこそ将来を見据え今後の店舗運営を再び軌道に乗せるために、
「ウィズコロナ、コロナ禍後(アフターコロナ)の安心安全な店舗づくりの戦略を今のうちに立てておくこと」
このことが大切です。
このシリーズでは業種毎のアフターコロナの集客ノウハウについて紹介します。今回はアフターコロナで保育施設の運営を軌道に乗せるための3つの条件についてお話しします。
保育施設の取組み
全国の保育施設では、コロナウイルスに対して様々な取り組みを行っています。
まずは、保育園や幼稚園を運営されている人が行っている代表的な新型コロナウイルス感染防止対策をご紹介いたします。
1.検温
保育現場のための新型コロナウイルス感染症対応ガイドブックでは、体温を朝、昼、午睡後など 1 日の中で決めた時間帯に数回測定を行うことを推奨しています。
しかし子供預かる前に、ご家庭での検温を義務化する保育施設が多くあります。事前アンケートではもちろん体調や発熱の有無をヒアリングしますが、当日の体温チェックはご家庭でしっかり行いましょう。
また、お子さんやお見送りをする保護者の方だけでなく、保育施設の先生もこまめな検温は欠かせません。
2020年5月7日までは厚生労働省が公表したコロナ感染の定義として「37.5度以上の発熱が4日以上」がありましたが、2020年5月8日からは発熱の度数や日数に関する具体的な定義は削除されました(参考記事:「37.5度以上」削除 PCR相談目安改定 幅広い受診促す(日本経済新聞))。
しかし37.5度以上の発熱がある場合、新型コロナウイルス感染症感染の疑いを懸念し行動制限する方針を打ち出している事業者、自治体も多いため、検温の有効性は依然高いままといえます。
(東京都福祉保健局より「新型コロナウイルス感染症について」)
保育園や幼稚園での検温は主に額や手首から体温を測定可能で、なおかつ機器が直接皮膚に触れない「非接触式体温計」が推奨されています。
2.除菌の徹底
コロナウイルス感染予防において、除菌は非常に有効な手段です。
保育園や幼稚園で保育を行う場合、手指のアルコール除菌はもちろん、子供や先生がよく触る手すりや窓など、隅々まで除菌する必要があります。
アルコールの他に、次亜塩素酸精製水もコロナウイルスへの有効性が確認されています。
ただし、空気清浄器のような機器やスプレーボトル(霧吹き)での空間噴霧に関しては意見が割れており、現状は行うべきではないとの風潮が強いようです。
消毒・殺菌に関する詳細な情報を下記リンクにまとめました。
参考記事:新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページ)
参考記事:「次亜塩素酸水」の使い方・販売方法等について(製造・販売事業者の皆さまへ)(経済産業省、消費者庁、厚生労働省)
3.マスク/ゴーグル/手袋/フェイスシールド
除菌・殺菌を徹底したうえで、マスクやゴーグル、使い捨て手袋、フェイスシールドを着用するとより強力にコロナをブロックできます。
コロナウイルス(COVID-19)はのどや目の粘膜から感染するとされており、マスクの他にゴーグルも感染予防として有効です。
とはいえ、保育中など、手袋やゴーグルを装着することが危険な場合もあります。
そのため、保育中など感染をカバーするものがない場合は前述の通り、入念な手指の消毒が何よりも重要となります。
保育現場のための新型コロナウイルス感染症対応ガイドブック(第1版:2020年5月26日リリース)
このような新型コロナウイルス感染防止対策ガイドラインも発行しています。他現場の対策もあわせて参考にし、より良いウイルス対策を行っていきましょう。
コロナ禍後に生き残る保育施設の3つの条件
コロナ禍~コロナ禍後にかけて、保育園や幼稚園の運営者が意識的に行うべき対策を3つの条件としてまとめました。
1.「3密」を避ける
「3密」とは「密接」「密閉」「密集」のことを指します。
保育施設では先生と子供の距離が必然的に近くなり(密接)、多くは決まったスペース内で保育します(密閉)。また場合によっては、保育施設にはたくさんの子供が集まります(密集)。
以上のことから、保育園や幼稚園などの保育施設はコロナ禍では避けるよう言われている「3密」の定義に合致しているといえるでしょう。
では、保育施設が「3密」を避けて運営するには、具体的にどのような方法があるでしょうか。
下記に列挙してみます。
「密接」を避ける方法
・ご飯やお昼寝の時間以外の保育施設内でのマスク・フェイスシールド・手袋の着用
・保育施設内での会話を最小限に抑える
・対面でなく、オンラインや電話で保育施設の予約を行う
マスクの着用は他者への感染を防ぐことが推奨されています。無症状者が多い中、気が付かない間に感染して他者へ広げないようにマスクを着用する必要があります。
しかし、二歳未満または自分でマスクを外すことができない乳幼児の場合には、窒息の可能性や、感染を拡大させてしまう可能性があるため、マスクの着用は推奨されていません。
「密閉」を避ける方法
・保育施設を定期的に換気する。または可能であれば窓を開けたままにしておく
・先生や子供が外気に触れられるよう、こまめな休憩を義務化する
保育施設内の空気を入れ替えないまま循環させていると、もしコロナウィルスが紛れ込んだ時に逃げ場が無くなってしまい、感染リスクが上がる懸念があります。
換気をし、空気の入れ替えを徹底しましょう。
「密集」を避ける方法
・子供の間に距離が空けられるよう、通常よりも広い間隔で保育を行う
・予約が一杯になってしまわないように予約可能枠を少なくする
・場合によっては受け入れ人数の制限を行う
「密集」に関しては、保育施設の規模やそこに集まる人の数で大きく深刻度が変わります。狭ければ狭いほど、また人が多ければ多いほど対策を講じる必要性が高まります。
厚生労働省が発表した
新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」の実践例
によると、
人との間隔は、できるだけ2m(最低1m)空ける。
とあります。
保育施設内で2mの距離を空けることは、なかなかに難しいものです。しかし2mが難しくてもその半分の1mでしたら実現可能性がぐっと高まります。
可能な限り「人と人の距離(ソーシャルディスタンス)をとる」ことを心掛けていきたいものです。
2.衛生管理を徹底する
保育施設では、施設や直に子供に触れるものを多く扱います。そのぶん、使いまわして他の子供や先生に感染する可能性については非常にシビアになる必要があるでしょう。
具体的に気を付けたい点は、
・先生は保育前にアルコール消毒をする
・備品のアルコール消毒や洗濯を徹底する
・備品は洗浄・消毒・殺菌の3ステップで清潔に保つ
・マスクや手袋などの他に、使い捨てに切り替えられるものを探してみる
・保育施設内の清掃を定期的に行う
・先生の健康管理をしっかりと行う
などです。
ほとんどの保育園や幼稚園ではコロナ禍の影響を抜きにしても、普段から厳格な衛生管理を行っていることと思います。
しかし人々の衛生意識が非常に高まっている昨今、顧客に安心感を与えるという意味でも、より一層の衛生意識を持つ必要があるでしょう。
3.コロナ対策への取り組みを周知する
ここまでお話ししました内容は、コロナウィルスの感染を予防するための対策をまとめたものでした。一方、本項では前述の2項とは少し毛色が異なり、「保育施設の運営にあたってプラスになる」施策についてご紹介いたします。
「3密」への配慮も、衛生管理の徹底も、保育施設の運営者がそれをしっかりと行っているかどうか、子供やその保護者からはあまり見えません。ですので、子供やその保護者へのアピール活動の一環としても、「どのようなコロナ対策を行っているか」を明示することは必要なのです。
例えば、
・感染予防への取り組みをステッカーやPOPにして保育園や幼稚園に設置する
・各自治体が発行している「コロナ対策認可」ステッカーを保育施設の目立つ場所に貼る
・ホームページや予約サイトに、コロナ対策や衛生管理に関する取り組み内容を記載する
などがあります。
ホームページや予約サイトにおけるコロナ対策アピールは忘れがちですが、インターネット上で不特定多数に閲覧される為、アピール効果は絶大です。
RESERVA予約システムでできる周知方法
例えばRESERVA(レゼルバ)予約システムでは、
- 感染予防対策実施の文言をサイト情報に記載
(管理画面>基本設定>ビジネス情報登録>サイト情報) - サイト情報の写真を感染予防対策している画像に変更
(管理画面>基本設定>その他詳細設定) - 予約時のアンケートにコロナウィルスに関するチェック項目を設ける
(管理画面>高度な設定>顧客項目設定・予約時アンケート設定>予約時アンケート設定ボタン>質問を作成する) - コロナウィルス関連の情報をメールにして自動配信
(管理画面>顧客サポート>お知らせ作成>お知らせ作成ボタン)
このような予約サイトの訪問者に向けた感染予防対策アピールが簡単な設定で行えます。
子供やその保護者がネットから予約する際に、必ず利用する予約サイト。
子供やその保護者の目に触れる機会の多い予約サイトだからこそ、コロナ対策への取り組みをお知らせできるのです。
コロナ禍・コロナ禍後に、保育園や幼稚園などの保育施設運営を軌道に乗せるために必要な「3つの条件」についてご紹介いたしました。
感染予防対策をしっかりと行った後には、必ずホームページや予約サイト上での顧客アピールを行いましょう。そうすることで、コロナ後の顧客離れを最小限に食い止めることができます。
以上の点を保育施設の運営にお役立ていただければ幸いです。
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