コロナウィルス(COVID-19)の影響で、これまでオフラインで行っていた講義やセミナー等がZOOMやYouTubeを用いたオンラインのものへと変化を遂げました。現在もオフラインでの集客が行えないことで、苦境に立たされている企業もあります。しかし、こんなときこそ将来を見据え今後の会社経営を再び軌道に乗せるために、
「コロナ禍後(アフターコロナ)の集客戦略を今のうちに立てておくこと」
これが、重要です。
このシリーズでは業種毎のアフターコロナの集客ノウハウについて紹介します。今回はアフターコロナでの対面式セミナーの運営を軌道に乗せる、3つの条件についてお話しします。
そもそもセミナーとは?
セミナーとは、一つのテーマについて議論や研究を行うことを表す言葉です。
よく似た言葉に講演会がありますが、こちらは先生や専門家を招いて講義をしてもらうというもの。セミナーは参加者同士で討論やグループワークなどを行う、参加型の勉強会です。
主なセミナーとして以下のようなものがあります。
- 就活情報サイトが開催する就活セミナー
- ビジネスに必要な素地を養うセミナー
- 自分を高める自己啓発セミナー
- ITやWEBについての技術を学ぶセミナー
オンラインセミナーの増加
一般的にオフラインで開催されることが多かったセミナーですが、新型コロナウイルスの影響でオンライン開催への移行が進んでいます。感染防止の対策として3密を避けるという方針が発表されて以降、リモートワークの推奨や公立学校のオンライン授業など、様々な面でオンラインへの移行が促進しました。
オフラインで行う対面型セミナーも、その影響を受けます。下のグラフはオフラインイベントとオンラインイベントのそれぞれの推移を表したグラフですが、コロナの影響によるオンラインへの移行が読み取れます。
もちろん、対面式セミナーもコロナ禍の影響を受け、会社説明会や新入社員研修がオンラインで行われるなど、それまで対面式で行われていたセミナーがオンライン上で開催されることとなりました。
そんなオンラインセミナーですが、対面型のオフラインのセミナーとは異なった多くのメリットが挙げられます。
・オンライン上での開催なので、会場費が不要
・会場や席数に収容人数の定員が無く、参加人数に上限が無い
・録画したものを他の用途に使える
オンラインセミナーのデメリット
オンラインセミナーは多くのメリットを生み出す一方で「集中できない」「参加者と交流ができない」といったデメリットもあります。
以下の円グラフはオンラインセミナーの参加者が、「視聴していた際にどのような意識で視聴していたか」を表したグラフです。アンケートに回答した119名のうち、約7割の方がセミナーに集中していないことが分かります。
もしこれが対面式のセミナーであれば、このような結果にはならなかったはずです。オンラインセミナーでは対面でのグループワークやディスカッションの実施ができないため、集中してセミナーに臨むことがことが難しくなっているのではないでしょうか。
また、セミナーを開催する運営側の意識にも注目すべき点があります。
これは2020年6月に集計された「オンラインセミナーを対面式に戻すか?」という質問のアンケートの結果です。201名の企業担当の方に集計をとったこのグラフでは、実に6割以上の方が「対面式での開催に戻す」と回答しています。
「対面に戻す」と回答した理由として、「参加者とコミュニケーションが取りにくい」「その後の関係を続けることが難しい」などが挙げられています。
以上のデータから考えた結果、オンラインセミナーには多くのメリットがあれど、参加者の集中度の割合や開催者の意見をみてみると、対面式セミナーの方がより良い効果を得られる可能性があります。
対面式セミナーでの取り組み
もしこれから対面式のセミナーを開催する場合には、新型コロナウイルスの感染防止対策のために、徹底した対策が必要になってきます。
1.利用可能人数の制限
対面式セミナーを行う場合、会場の収容人数の制限によって参加者同士の密接状態を緩和できます。
また、貸し会議室などで備え付けの家具や家電がある場合は、人と人の距離(ソーシャルディスタンス)がとれるような配置にしたり、一時的に搬出してしまっても良いでしょう。
2.除菌・消毒の徹底
コロナウイルス感染予防において、除菌は非常に有効な手段です。
対面式セミナーの開催にあたっては、会場の除菌・消毒を徹底しましょう。
人が触れると思われる箇所をこまめな清掃により清潔に保つことで、コロナウイルスへの集団感染リスクを大幅に低下させることができるのです。
またアルコールの他に、次亜塩素酸精製水もコロナウイルスへの有効性が確認されています。
ただし、空気清浄器のような機器やスプレーボトル(霧吹き)での空間噴霧に関しては意見が割れており、現状は行うべきではないとの風潮が強いようです。
消毒・殺菌に関する詳細な情報は下記からご確認ください。
参考記事:新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページ)
参考記事:「次亜塩素酸水」の使い方・販売方法等について(製造・販売事業者の皆さまへ)(経済産業省、消費者庁、厚生労働省)
3.受付の際の検温やマスクの着用
セミナーに参加される方が会場に入られる際には、マスクの着用のお願いに加え、受付にて検温を実施しましょう。
新型コロナウイルス(COVID-19)の症状として発熱があることは周知の事実です。
2020年5月7日までは厚生労働省が公表したコロナ感染の定義として「37.5度以上の発熱が4日以上」がありましたが、2020年5月8日からは発熱の度数や日数についての具体的な定義は削除されました(参考記事:「37.5度以上」削除 PCR相談目安改定 幅広い受診促す(日本経済新聞))。
しかし、コロナに感染すると高熱を発することに変わりはないため、やはり検温は有効な手段なのです。
店舗による検温では主に額や手首から体温を測定可能で、なおかつ機器が直接皮膚に触れない「非接触式体温計」が使用されています。
また検温以外ですと、マスクの着用や場合によっては手袋の着用も考えられます。
セミナー運営側と参加者の直接的な接触を避け、まずは運営側が参加者にコロナウイルスをうつしてしまわないよう、運営側の社員も体調管理をしっかり行い、そのうえでマスクや手袋で万全を期すことを推奨します。
他の対面式セミナーが取り入れているコロナ対策も参考につつ、より感染予防効果の高い施策を取り入れていきましょう。
コロナ禍後に対面式セミナーを開催する上での、3つの条件
コロナ禍~コロナ禍後にかけて、対面式セミナーを行う上で運営者が意識的に行うべき対策を3つの条件としてまとめました。
1.「3密」を避ける
「3密」とは「密接」「密閉」「密集」のことを指します。
対面式セミナーで行われるグループワーク等のレクリエーションでは参加者の距離が必然的に近くなり(密接)、基本的に会議室などの室内で行われ(密閉)、ひとつの空間に多くの参加者が集まります。(密集)。
以上のことから、対面式セミナーはコロナ禍では避けるよう言われている「3密」の定義に合致しているといえるでしょう。
では、「3密」を避けながらの対面式セミナーの開催には、どのような方法があるのでしょうか。
下記に列挙してみます。
「密接」を避ける方法
・受付ではマスク・フェイスシールド・手袋を着用
・体の距離が近くなりすぎるようなグループワークは避ける
・ディスカッションはマスク越しで行うなどの飛沫対策の徹底
これらの施策は、コロナウィルスの感染経路が「接触」「飛沫」によるものだと判明していることから推奨されています。直接何かに触れたり、唾液からの感染を未然に防ぐ意識を持つことが大切です。
「密閉」を避ける方法
・会場の換気を定期的に行う。または可能であれば窓を開けたままにしておく
・利用者が外気に触れられるよう、建物外への経路を知らせる
室内の空気を入れ替えないまま循環させていると、万が一コロナウィルスが紛れ込んだ際に逃げ場が無くなってしまい、感染リスクが上昇します。
会議室やレンタルスペースなどでは特に人と人との会話や交流が多くなるので、注意が必要です。
「密集」を避ける方法
・利用者が座る場所は、一定の距離を保つ
・予約がいっぱいになってしまわないように、予約可能枠を減らす
・セミナー時間を短縮する
「密集」に関しては、会場の規模やそこに集まる人の数で大きく深刻度が変化します。狭ければ狭いほど、また人が多ければ多いほど対策を講じる必要性が高まります。
厚生労働省が発表した
新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」の実践例
によると、
人との間隔は、できるだけ2m(最低1m)空ける。
とあります。
例えば会議室内で2mの距離を空けることは、なかなかに難しいものです。しかし2mが難しくてもその半分の1mでしたら実現可能性がぐっと高まります。
可能な限り「人と人の距離(ソーシャルディスタンス)をとる」ことを心掛けましょう。
2.衛生管理を徹底する
対面式セミナーにおいては、参加者の方が思いもよらぬ場所を触れる可能性があります。
具体的に気を付けたい点は、
・参加者はセミナー前に消毒を行う
・ドアノブや備品のアルコール消毒の徹底
・ドアノブや備品は洗浄・消毒・殺菌の3ステップで清潔に保つ
・清掃を定期的に行う
・従業員の健康管理をしっかりと行う
などです。
3.コロナ対策への取り組みを周知する
ここまでお話ししました内容は、コロナウィルスの感染予防の対策をまとめたものでした。一方、本項では前述の2項とは少し毛色が異なり、「対面式セミナー」を開催するにあたってプラスになる施策についてご紹介いたします。
「3密」への配慮や衛生管理の徹底などは、運営側がそれをしっかりと行っているかどうか参加者からはあまり見えません。ですので、顧客へのアピール活動の一環としても、「どのようなコロナ対策を行っているか」を明示することは必要なのです。
例えば、
・感染予防への取り組みをステッカーやPOPにして会場の目立つ場所に設置する
・各自治体が発行している「コロナ対策認可」ステッカーを会場の目立つ場所に設置する
・ホームページや予約サイトに、コロナ対策や衛生管理に関する取り組み内容を記載する
などがあります。
ホームページや予約サイトにおけるコロナ対策アピールは忘れがちですが、インターネット上で不特定多数に閲覧される為、アピール効果は抜群です。
RESERV予約管理システムのセミナー会場の予約でできること
RESERV予約管理システムでは、セミナー会場の予約に必要な様々な機能が備わっており、初めての方でも安心して予約サイトとの作成及び運用することができます。
ここで、RESERV予約管理システムで利用できるコロナ対策の仕組みをご紹介します。
予約サイトでコロナ対策の取り組みを周知
例えばRESERVA(レゼルバ)予約システムでは、
- 感染予防対策実施の文言をサイト情報に記載
(管理画面>基本設定>ビジネス情報登録>サイト情報)
- サイト情報の写真を感染予防対策している画像に変更
(管理画面>基本設定>その他詳細設定)
- 予約時のアンケートにコロナウィルスに関するチェック項目を設ける
(管理画面>高度な設定>顧客項目設定・予約時アンケート設定>予約時アンケート設定ボタン>質問を作成する)
- コロナウィルス関連の情報をメールにして自動配信
(管理画面>顧客サポート>お知らせ作成>お知らせ作成ボタン)
このような予約サイトの訪問者に向けた感染予防対策アピールが簡単な設定で行えます。
参加者がセミナーをネットで予約する際に、必ず利用する予約サイト。
コロナ対策への周知を予約サイトにて行うことで、セミナー参加者の方々にコロナ対策への取り組みをお知らせできるのです。
コロナ禍が終息した後、対面式セミナーを開催する上で必要な「3つの条件」についてご紹介いたしました。
感染予防対策をしっかりと行った後には、必ずホームページや予約サイト上での顧客アピールを行いましょう。そうすることで、コロナ後の顧客離れを最小限に抑えることができます。
以上の点を対面式セミナーの開催にお役立ていただければ幸いです。
別記事:【コロナ後の集客】顧客目線で!安心できるレンタルスペース「3つの条件」
別記事:【コロナ後の集客】顧客目線で!安心できるエステサロン「3つの条件」
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