新型コロナウイルスの流行は、医療機関の経営に大きな打撃を与えました。2021年6月3日に日本病院会らが発表した「新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況の調査(2020年度第4四半期)」によると、2021年1月~3月期の入院患者数、救急車受け入れ件数、手術数は、前年同時期と比較し減少してることが分かります。特にコロナ入院患者を受け入れている病院では、収益の悪化が顕著に見られ、2024年現在でもその影響は色濃く残っています。
医療機関と同様、経営に苦しむ民間企業や地方自治体ではコスト削減が行われ、さらに新たなビジネスを創出すべく「DX(デジタル・トランスフォーメーション)化」が進められています。近年では、医療分野にも応用されITを駆使した医療サービスの提供も注目されています。今回は、これらの最新医療に関する知識や、他の医療機関の動向を知るための情報サイトを紹介します。
医療従事者におすすめの情報サイト
厚生労働省「医療分野のトピックス」
厚生労働省のホームページにある「医療分野のトピックス」では、政府が行っている医療分野への取り組みを紹介し、セミナーの開催や協力団体の公募などを呼び掛けています。
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics_150873_139_140.html
厚生労働省「最近公表の統計資料」
厚生労働省のホームページでは様々な統計資料が公表されています。資料は、「国民健康保険実態調査」、「国民の医療費の動向」、「健康増進事業の報告」などの年報で公表されているものと、「病院報告」、「福祉行政報告」、「最近の調剤医療費の動向」などの月報で公表されているものがあります。院内では把握できない国全体の動向や、他地域の病床状況などを確認でき、経営の見通しを立てるうえで、役立てることができます。
URL:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/
日本医師会ホームページ
日本医師会のホームページでは、若手の研修医に医師会への入会を推進するとともに、感染症、地域医療、診療支援などに関する情報を提供しています。日本医師会は政府と協力し、ワクチン接種体制の整備や医療機関におけるクラスター対策を行っているため、今後の医療政策動向を把握することができます。
URL:https://www.med.or.jp/doctor/index.html
学術雑誌「医療情報学」
学術雑誌「医療情報学」を発行する日本医療情報学会は、1983年に医療情報に関心を持つ全ての研究者の学術交流の場として、設立されました。会員は、医師、看護師だけではなく、事務担当者、病歴担当者、コンピュータ技術者など多様な職種の人々で構成されており、会員になることで、年2回の学術集会への参加が可能になるとともに、学術雑誌「医療情報学」オンラインジャーナルも閲覧できるようになります。
URL:https://www.jami.jp/document/magIndex.php
学術誌「医薬品情報学」
学術誌「医薬品情報学」を発行する日本医薬品情報学会は、「医薬品情報学に関する教育・研究の向上及びその応用並びに国内外の相互交流により薬学及び医学、医療の進歩向上、国民の健康に貢献すること」を目的に、1998年に設立されました。学術誌「医薬品情報学」は、年に4回発行されており、薬剤師や製薬会社関係者に向けて、最新の医薬品研究を公表しています。
URL:https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jjdi/-char/ja(J-STAGEへリンク)
医学雑誌「NEJM(The New England Journal of Medicine)」
NEJMは1812年にイギリスで発行開始されて以来、約200年にわたって世界各地の医療従事者から集められた研究を公開し続けている世界有数の医学雑誌です。JCR(Journal Citation Reports)が2021年6月30日に発表したインパクトファクターは、医学雑誌の中で最高評価となる91.245であり、影響力の大きさを示しています。NEJM内のコンテンツは一般公開されており、発行日から6カ月後にすべての研究を無料で閲覧することができます。
医学雑誌「The Lancet(ランセット)」
「The Lancet」は1823年にトーマス・ウェイクリーによって創刊された週刊医学雑誌で、NEJMとともに、評価の高い世界5大医学雑誌の1つとして医学研究者に知られています。過去2世紀にわたって、医学による課題解決や社会貢献を目指し、人々の生活を改善する医学研究や論文の発表の場として世界的に信頼されているジャーナルです。
URL:https://www.thelancet.com/
日経メディカル
日経メディカルでは、読者の職種によって医師、若手医師・医学生、看護師、薬剤師向けと細かくメディアが分かれており、より専門的な情報を入手することができます。学会カレンダーでは、国内・海外で開催される学会情報が一覧となっており、処方薬事典で効果や副作用に関する情報を確認することもできます。
URL:https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/
時事メディカル
時事メディカルでは、最新の医療ニュースや慢性疾患、感染症などの情報を日々紹介しています。当サイトでは新たな医療法や設備に関するニュースだけではなく、医師による豊富なコラム連載や医師に関するデータベースも整っています。
m3.com(エムスリー)
「m3.com」は、2003年に医療従事者のための情報サイトとして開設されました。最新の医療情報を届けるため、全国主要紙からの医療関連記事や臨床現場から発信されるニュース、医療従事者の視点に立った独自の取材記事など様々なコンテンツが用意されています。さらに医師同士のコミュニティサービスも提供しており、先輩開業医への質問も受け付けています。
URL:https://www.m3.com/?fromSp=1
MedPeer(メドピア)
「MedPeer」では、各診療科目や疾患に知見がある医師が最新の医療情報を共有し、臨床に役立つコンテンツを提供しています。高いセキュリティ水準のもと、登録・サービスの利用は全て無料で、意見交換や医師限定調査への参加や閲覧が可能です。
innavi net(インナビネット)
「innavi net」では、主に最新の医療機器、画像診断、製品情報、導入実績などを紹介しています。医療機器・医療メーカーのプレスリリースを掲載するほか、医療に関する学会・イベント・セミナー・製品発表などの取材報告も公表しています。
URL:https://www.innervision.co.jp/
海外の医療事情がわかる医療従事者向け情報サイト
外務省「世界の医療事情」
外務省のホームページでは、世界各国・各地域の大使館や総領事館に駐在する医務官が現地の医療事情を調査し、2年に1度を目処に結果を公表しています。長期滞在者の視点で、現地で実際に収集した情報や体験した医療機関を掲載し、各地域で流行している感染症や渡航に必要な予防接種などについて把握することができます。
URL:https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/index.html
QLifePro(キューライフプロ)
医療総合サービスサイト「QLifePro」では、海外の医療ニュースや最新の研究内容を掲載しています。読了目安時間が記載されているため、隙間時間に手軽に海外の医療情報を得ることが出来ます。
URL:http://www.qlifepro.com/news/category/overseas-medical
海外がん医療情報リファレンス
海外がん医療情報リファレンスでは、日々世界レベルで治療法の開発が進められているがん研究に関連するニュースが発信されています。有志の翻訳者や監修者の協力のもと、海外のサイトから許可を得て、翻訳しており、原文も記事内に記載されています。また、記事だけではなく、海外のがん研究所などが制作した動画に日本語の字幕を付け加えた説明動画も配信しています。
医療機関の予約システムならRESERVA
医療従事者向けの情報サイトでは、様々な最新医療や医療機器が紹介されており、それらを取り入れることで、より質の高い新たな医療サービスの提供や業務の効率化が期待されます。26万の事業者・官公庁に導⼊されている国内最⼤級のSaaS型予約システムRESERVA(https://reserva.be/)は、医療機関向けの予約システムや、新型コロナワクチン接種の予約受付に特化したシステム「新型コロナワクチン接種予約システム by RESERVA」を提供しています。「新型コロナワクチン接種予約システム by RESERVA」は320超の自治体、医療機関、クリニック、企業などで、ワクチン接種の予約を導入いただいています。
RESERVA新型コロナワクチン接種予約システム 特設サイト
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2.インターネットで24時間病院・クリニックの予約を受付が可能
3.システムが苦手なスタッフでもかんたんに使えるわかりやすい管理画面
4.直前予約・指定時間での締め切りの設定が可能
5.国内データセンターで情報を安全に管理(安心安全なセキュリティ体制)
まとめ
今回は、最新医療に関する知識や、他の医療機関の動向を知るための情報サイトを紹介しました。コロナウイルスが収束傾向にある現在も、国内の医療機関は新たな医療体制の整備や治療法の研究などを行っています。対面での情報共有が難しい状況下では、医療機関においても大規模なデータや最新システムを駆使した経営への変革が求められています。今後は、取り上げたサイトの記事や統計資料などを参考・比較し、医療経営を助ける「正しい」情報を入手していくことが必要です。