新型コロナウイルスや働き方改革の影響で、「テレワーク」や「フレックスタイム制」など時間・場所を問わない働き方や、地方で仕事をしつつ余暇を楽しむ「ワーケーション」を活用する人が増えています。2021年3月に、厚生労働省が「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」を改訂し、ワーケーションがテレワークの一形態として新たに分類されました。ワーケーション事業による企業誘致は、都市部から地方部への人口移動を創出し、観光業の活性化や新規ビジネスの創出を促す効果が期待されます。
今回は、大自然の中での理想的な働き方や休暇が実現する、静岡県南伊豆町のワーケーション・グランピング施設を紹介します。
南伊豆町の基本情報
| 人口 | 7,905人 |
| 面積 | 109.94km² |
| 公式ホームページ | https://www.town.minamiizu.shizuoka.jp/ |
| 市役所住所 | 〒415-0392 静岡県賀茂郡南伊豆町下賀茂315-1 |
| 主な観光地 | 石廊崎、弓ヶ浜海岸、下田海中水族館、ヒリゾ海岸など |
| 本社を置く企業 | 株式会社アイ・イー・シー |
南伊豆町は、伊豆半島最南端に位置し、太平洋に臨む日本有数のリゾート地です。「日本渚100選」にも選ばれた弓ヶ浜をはじめ、数々の絶景ビーチが広がっています。1961年に伊豆急行が下田市まで開通したことで、アクセスが大幅に改善され、現在は東京から電車・バスを利用し、約3時間で行くことができるようになりました。
南伊豆町では、高等教育機関や雇用先が少ないことから、若者の転出者が多く、国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、2015年の人口を100人としたときの2045年における将来推計人口は58人と、4割も減少すると推測されています。そこで、2017年度から「南伊豆町の魅力を活かした新たなライフスタイルを創出し、U・Iターン者の転入を増やす」ことを目的とし、企業誘致事業「南伊豆るプロジェクト」を開始しました。
2019年度からはワーケーション自治体協議会にも加盟し、大手企業やITベンチャー企業に対して、ワーケーション利用を勧めています。美しい浜辺が広がる沿岸部や清流が流れる山間部にはグランピング施設も次々と開業し、さらなる観光業の活性化を促しています。
おすすめのワーケーション施設
休暇村南伊豆
伊豆半島の南端にある「休暇村南伊豆」は、目の前に白浜が広がる絶景が魅力的なホテルです。当ホテルでは、シュノーケリングツアーや磯の生き物観察会などを開催しており、子どもから大人まで楽しめるアクティビティが用意されています。
館内の3階フロアには、ワーケーション専用ルームが設けられています。日帰りワーケーションプランで、3000円から利用することができます。無線LANやモニター、リングライト、ケーブル類など、リモートワークをするうえで必要な備品は完備されており、アイデアが煮詰まってしまった際には、目の前のビーチを裸足で散歩し、リフレッシュすることも可能です。
上賀茂・田舎暮らし体験住宅
築100年の古民家「上賀茂・田舎暮らし体験住宅」では、ワーケーションとしての短期滞在だけではなく、南伊豆町への移住を検討している人に対しての生活体験を提供しています。懐かしさを感じる和室や都心の家では見られない縁側など、普段とは違う環境に身をおくことで新たなアイデアが生まれる場所としても魅力的です。
また、オフィス用設備や生活用品などが備え付けられているため、企業がサテライトオフィスやテレワークの拠点として活用できます。さらに、姉妹都市や交流自治体（長野県塩尻市、東京都杉並区、東京都青梅市、北海道名寄市、福島県北塩原村、福島県南相馬市、新潟県小千谷市、群馬県東吾妻町、山梨県忍野村）の住民は、特別割引で1泊1人あたり1000円で利用することもできます。
ホテル河内屋
下田駅からバスで30分、弓ヶ浜海岸から少し離れた青野川沿いにある「ホテル河内屋」は、伊豆下賀茂温泉100％源泉かけ流しの宿です。南伊豆町の観光名所である「竜宮窟（りゅうぐうくつ）」や「石廊崎オーシャンパーク」を巡るプランやヒリゾ浜でのシュノーケリングプランなど豊富なプランが特徴的です。
全客室にWi-Fiが完備されており、リゾートテレワークを推奨するプランも用意されています。新鮮な海産物を使った会席料理や温泉を楽しみ、落ち着いた空間でリラックスしながら仕事ができる環境が整えられており、王道なワーケーションを楽しみたい方におすすめです。
おすすめのグランピング施設
ヴィラ弓ヶ浜
「ヴィラ弓ヶ浜」は、弓ヶ浜まで徒歩1分の場所にあるコテージ&貸し別荘です。中でも、開放感のあるテラス付きの部屋では、まるでツリーハウスに泊まっているような感覚を味わうことができます。
7棟が立ち並び、最大50人が宿泊可能な当施設では、豊かな自然資源を活かした様々な体験を楽しむことが出来ます。例えば、テラスではBBQや石窯ピザ作り、夜には焚火や星空観察など、家族や友人で楽しめるプランが揃っています。特に、星空の下、波音を聴きながらのバーベキューは、非日常を味わえる人気のコンテンツとなっています。
南伊豆ランドホピア
「南伊豆ランドホピア」は、国が星の観察地として指定した場所にある貸別荘です。全棟にバーベキューコーナーがあり、近くの海岸で釣った魚などを持ち込んで楽しむことができます。
最大の魅力は、別荘周辺に広がる豊富なアクティビティ施設です。昼にはテニスコートやフットサルコートなどでスポーツを楽しみ、夜には露天風呂から見える海と星空を堪能することができます。さらに、春にはいちご狩りやみかん狩りも体験できるなど、何度行っても飽きさせないプランが充実しています。
南伊豆夕日ヶ丘キャンプ場
「南伊豆夕日丘キャンプ場」は、太平洋が臨む高台に位置し、名前の通り美しい海と夕日を眺めることができるキャンプ場です。現在（2021年6月29日時点）、利用できる人数は、家族が5人まで、友人が2人までとなっており、コロナ禍でのリフレッシュ先としておすすめの場所です。
敷地内は、プライベートや景観を重視した「青エリア」、景観も良く利便性も重視した「黒エリア」、子ども連れ家族向けに人気の「赤エリア」、ペットとリードなしで遊べる「ドッグフリーサイト」の4エリアに分かれています。各エリア違った景観となっており、利用者のニーズによって好きな場所にテントを張ることが可能です。近くには、トイレ、シャワーなどの設備や売店もあるため、キャンプ初心者でも安心して利用することができます。
施設・宿泊の予約システムならRESERVA
今回紹介したワーケーション、グランピング施設のような地方創生事業において、必要不可欠となるのが予約システムです。当社が提供する予約受付システムRESERVA（https://reserva.be/）は、25万の事業者・官公庁に導⼊されている国内最⼤級のSaaS型予約システムであり、人口20万人を超える規模の自治体のほか、人口5万人以下の小規模な市町村でも導入実績があります。
ワーケーション・グランピング施設等への導入事例（各項目概要ページにアクセスできます）
まとめ
今回は、南伊豆町のワーケーション・グランピング施設について紹介しました。今後は、ワクチン接種の普及によって、一定のコロナ回復効果が見込まれ、普段とは違う環境で仕事をしたり、家族との休暇を地方で楽しむ人が増えると予想されます。新しいライフスタイルが浸透しつつある今こそ、自治体は地方へ人を呼び込む絶好の機会として、さらなる地方創生事業を進めていくべきです。南伊豆町の取り組みを参考に、観光資源を活かした施設の導入を、民間企業や地元住民と一体となって、検討してみてはいかがでしょうか。