新型コロナウイルス流行や働き方改革の影響により、人との接触を減らし、「いつでもどこでも」仕事ができる環境が徐々に整備されてきています。中でも注目を集めているのが、仕事をしながら地方で休暇をとる「ワーケーション」やラグジュアリーな空間で非日常を味わう「グランピング」です。地方移住へのニーズが高まっている今、自治体は地域の特性を活かした地方創生政策を実施し、新たな人との交流を促しています。
今回は、リゾート地として名高い和歌山県白浜町を取り上げて、豊富な観光資源を活かしたグランピング・ワーケーション施設を紹介します。
和歌山県白浜町の基本情報
人口 | 2万848人 |
面積 | 200.98km² |
公式ホームページ | http://www.town.shirahama.wakayama.jp/ |
町役場住所 | 〒649-2211 和歌山県西牟婁郡白浜町1600 |
主な観光地 | アドベンチャーワールド、白良浜、三段壁、円月島など |
白浜町は、和歌山県南部に位置しており、白い砂浜と真っ青な海が広がる景色を目当てに、年間約300万人もの観光客が訪れます。しかし、自治体の調査によると、1975年をピークに町内の人口は減少傾向にあり、若者の進学・就職にともなう人口流出が大きな課題となっています。
そこで白浜町では、コロナ禍でワーケーションが認知される前から、魅力的な働き口としてIT企業を誘致する事業に着目し、取り組んできました。そして2015年に株式会社セールスフォース・ドットコムが白浜町に進出したことが大きな話題となり、様々な企業の誘致に成功した結果、現在2つある町運営のITオフィスはほぼ満室となっています。白浜町がワーケーション地としてアピールしている強みは以下の6つです。
白浜町がワーケーション地として適している理由
①美しい白い砂浜と青い海が広がる最高のロケーション
②首都圏からの便利なアクセス
③ビジネス環境、生活環境の強み
④全国トップクラスのネットワーク環境
⑤全国最高水準の奨励金制度
⑥生産性向上の実績
ワーケーション施設
白浜町ITビジネスオフィス
「白浜町ITビジネスオフィス」は、2004年に生命保険会社の元保健所を改修して建てられ、白浜町が「ワーケーションの先駆者」と言われるようなきっかけとなった施設です。現在、2つの町営ITビジネスオフィスがあり、ほぼ満室状態となっています。
南紀白浜空港から車で5分という好立地に加えて、オフィスから見える海やビーチなどの美しい景観が人気を集めています。また、公園が隣接しているため、休憩時には気軽に外出してリフレッシュすることも可能です。現在満室にもかかわらず、年間200件近い視察を受け入れ、新たなサテライトオフィス建設に向けた検証の場所として重要な施設となっています。
ANCHOR(アンカー)
「ANCHOR」は、白浜ITビジネスオフィスに続く第3のオフィスとして、2020年11月にオープンしました。南紀白浜空港・JR白浜駅からのアクセスが良く、周辺には日本三古湯の1つに数えられる白浜温泉もあります。
当オフィスの特徴は、白浜の自然を身近に感じながら働く「WORKING RETREAT」、充実した共用部施設、地元雇用への架け橋となる地域に根差した情報発信です。都心部には無い資源を活かして、ストレスを感じさせない空間づくりにこだわり、ONとOFFの循環によって社員のモチベーションを高めています。敷地内には、コワーキングスペース、シアタールーム、菜園など、地域の人・企業との接点を増やす施設が充実しており、ここから新たな雇用やビジネスチャンスを創出する試みに挑戦しています。
SEAMORE RESIDENCE KEY1・KEY2
目の前に海が臨む「SEAMORE RESIDENCE KEY1・KEY2」は、「自分の家のようにくつろいでもらうこと」をコンセプトとしたワーケーション施設です。白浜町の人気ホテル「HOTEL SEAMORE」が隣接しており、ホテルの充実したサービスや設備を利用することも可能です。
当施設の特徴は、充実したリフレッシュコンテンツと長期滞在可能な設備です。施設内には、BBQ場、大画面のテレビ付きのリビングルーム、ダーツがあり、近くの足湯で星空を見上げながら優雅な時間を楽しむこともできます。さらに、24時間利用できる共有セルフキッチンやコインランドリーもあるので、長期のワーケーション利用者にもおすすめです。
ラハイナ(LAHAINA) 白浜
「ラハイナ(LAHAINA) 白浜」は、「民泊と遊び」をコンセプトとした2階建てのワーケーション施設です。2階にはウッドデッキがあり、海に沈む夕日や満天の星を楽しんで贅沢な空間を過ごすことができます。
1階の共同スペースで仕事をした後は、ダイビング、スノーケリングなどのマリンスポーツを楽しめます。予約受付やウェアのレンタルもかんたんに施設内で行うことができ、他にもカヤックなど社員同士の距離を縮めるアクティビティが多く用意されています。
グランピング施設
SHIOSAI TERRACE PREMIUM GLAMPING RESORT(シオサイテラス プレミアムグランピングリゾート)
抜群の眺望を誇る高台に位置する「SHIOSAI TERRACE PREMIUM GLAMPING RESORT」は、美しい砂浜を見下ろせる高台に位置し、大型ドームテント型のグランピングを楽しむことができます。
直径6mの大型ドームテントの中は二重構造になっており、一般的なテントと比べて優れた断熱性があり、気温の影響を受けにくいという特徴があります。また、各ドームが設置されているデッキには、専用の展望スペースやBBQスペースがあり、密を回避した状態でプライベートな空間を過ごすことができます。近くには乗馬体験ができる「ふれあい広場」もあり、家族や友人同士での宿泊もおすすめです。
Crystal Villa SHIRAHAMA(クリスタルヴィラ白浜)
「Crystal Villa SHIRAHAMA」は、9棟のプライベート性を重視したコテージが特徴的なラグジュアリーヴィラです。
9棟のうち、3棟にプライベートプールが設置されており、他にもジャグジーや露天風呂などの豪華な設備が完備されています。大人数になるほど安くなるルームチャージ制を導入しており、同じ部屋に最大12人が宿泊可能です。ペットと同伴できる部屋もあり、様々な利用者のニーズに合わせた過ごし方ができます。
VILLA TSUBAKI
2021年のゴールデンウィークにオープンした「VILLA TSUBAKI」は、1日1組限定の1棟貸切型スイートヴィラです。自動チェックインシステムを導入しており、他の宿泊客と出会うことはもちろん、スタッフとの接触も一切ないプライベートな空間を楽しむことができます。
部屋から太平洋を一望をできる絶景のロケーションで、建物内には自家源泉の天然温泉、大型のプライベートプールなど豪華な設備が完備されています。最大8人が宿泊可能で、プールサイドテラスでのBBQ、備え付けのキッチンでの調理、出張料理サービスの利用など、用途に合わせた食事スタイルをとれることも魅力的です。
施設・宿泊の予約システムならRESERVA
今回紹介したワーケーション、グランピング施設のような地方創生事業において、必要不可欠となるのが予約システムです。当社が提供する予約受付システムRESERVA(https://reserva.be/)は、26万の事業者・官公庁に導⼊されている国内最⼤級のSaaS型予約システムであり、人口20万人を超える規模の自治体のほか、人口5万人以下の小規模な市町村でも導入実績があります。
ワーケーション・グランピング施設等への導入事例(各項目概要ページにアクセスできます)
まとめ
今回は、白浜町で人気のワーケーション・グランピング施設を紹介しました。普段とは違う空間で仕事をしたり、休暇を取ることで、仕事の効率アップや生産性の向上を図る効果が期待されます。しかしその裏では、自治体・地元住民のサポートが欠かせません。「ワーケーションのモデル都市」である白浜町を参考に、観光資源を活かした施設の導入を、地域全体で検討してみてはいかがでしょうか。