新型コロナウイルスの感染拡大や、政府によるテレワークなどの働き方改革の推進により、IT化を進める動きが各自治体で行われるようになりました。IT化を進める狙いとしては大きく2つあります。地方居住者の生活の利便性の向上、そして移住者や観光客の増加に伴う、地域活性化です。この理由から各自治体では、デジタルトランスフォーメーションを取り入れたり、魅力的なイベントや施設を設計したりとさまざまな方法を取っています。
今回は、市の魅力を最大限に引き出しながらワーケーションなどの推進に力を入れ、観光客や市民の利便性を考えたICTプラットフォームの整備のためにIT企業との業務提携などを実施している岡山県玉野市を紹介していきます。
岡山県玉野市の基本情報
人口 | 57,108人 |
面積 | 103.6km² |
公式ホームページ | https://www.city.tamano.lg.jp/ |
市役所住所 | 〒706-8510 岡山県玉野市宇野1-27-1 |
主な観光地 | 渋川海水浴場、王子が岳、田井みなと公園 |
本社を置く企業 | 株式会社おもちゃ王国、玉野機工株式会社 |
高等教育機関 | 玉野総合医療専門学校 |
玉野市は、岡山県の南端で瀬戸内海に囲まれている、温暖で住みやすい港町です。地震や台風が少ない天候に恵まれた市として有名で晴れの国とも言われています。市内の中心部でもある宇野港は、岡山県の海の玄関である瀬戸内海の重要拠点として発展してきた歴史があり、渋川海岸や瀬戸内海を一望できる王子が岳などは、観光スポットとして人気があります。
セブンイレブンとの地域活性化に向けた連携協定
玉野市と株式会社セブンイレブン・ジャパンは、地域活性化に関する包括連携協定を締結しています。地産地消を目標に玉野市で生産された材料を使って、地域に馴染み親しまれるような商品の開発を行なっています。また、高齢者の雇用にも積極的に取り組んでおり、高齢者の住みやすい玉野市に向けた貢献を行なっています。
デジタル採点システムの導入
玉野市では、実験的に市内の荘内中学校、宇野中学校の教員向けにテスト答案のデジタル採用システムを導入しています。デジタル採点システムは、スキャナーで生徒の答案を読み込んで、採点にかかる教師の時間を減らす目的があります。採点システムの導入により、生徒ごとの苦手な分野を把握することが容易となり、授業の質の向上へとつながっていきます。教育へのデジタル化の導入は、教員同士の情報共有にもなり大きな利点となっていくので、今後も、積極的なデジタルシステムの導入が期待されています。
IT企業との事業連携によってICTプラットフォームの整備
NIPPON Platform株式会社と、さまざまなキャッシュレスソリューションを提供している株式会社NTTマーケティングアクトは、玉野市に訪れる国内・国外からの観光客向けにICTプラットフォームの整備を推進しています。玉野市内にある施設や店舗にマルチ決済機能と多言語通訳機能搭載のタブレット端末を無料で貸し出しています。また、QRコード決済サービスに伴う決済手数料や多言語TV通訳サービスのサービス利用料も無料で提供しており、海外や国内からの観光客への利便性向上の実現につながり多くの人が観光に訪れています。
新規オープンのホテル発、女子限定ツアー開催
2021年7月にオープンしたUNO HOTEL発の女子旅ツアーが行われています。直島、豊島、犬島などの有名な島までもレンタル自転車で向かうことができ、絶景の瀬戸内海を眺めながらサイクリングを楽しむことが可能です。宿泊する部屋は、女性専用セパレートシングルルームで安心して泊まれます。瀬戸内で取れた野菜や果物を使用した朝食が人気で存分に瀬戸内旅を楽しめると共に、テレワークやワーケーションとしても活用できます。
玉野市における助成金・補助金・支援金
たまののお試し滞在助成金
玉野市では、移住を検討している人が住居や仕事を探す際や、地域情報を得るための活動を行なう際の費用の一部を助成します。岡山県外から訪れやすくし、市内の魅力を肌で多くの人に感じてもらうことが目的です。
たまののIJUコンシェルジュを設置しており、移住を検討する人をサポートする体制が構築されています。
(たまののIJU(移住)コンシェルジュを設置しています)
対象者 | たまのの認定移住者登録を行なっている県外の人 |
助成対象 | ・宿泊施設にかかる費用 ・居住物件の借上費用 ・レンタカーの借上費用 ・レンタルサイクル借上費用 |
金額 | ・家族やグループにつき上限10万円 ・単身での滞在は上限5万円 |
参考ページ:たまののお試し滞在助成金
創業アシスト奨励金
玉野市では、新たに事業の創業した人に対して奨励金を交付しています。市内でのビジネスが活性化することによって、移住者や若年層などへの雇用の拡大を図れます。
対象者 | 資料内すべてに当てはまる人 ( 玉野市創業アシスト奨励金の概要 ) |
交付金額 | 基本額:事業1件につき50万円 加算額:若年者 30万円 女性 10万円 転入者 10万円 |
申請受付 | 令和3年4月1日(木)~令和4年2月末まで |
参考ページ:玉野市創業アシスト奨励金
中小企業リスタート応援事業補助金
新型コロナウイルスの拡大に伴い、多くの企業の転換期となっています。新しい企業作りや、感染防止対策など企業活動のリスタートを応援するため補助金を交付されます。
対象者 | ・玉野市内に事業所がある。 ・今後も事業を継続する意思がある。 ・市税の滞納がない。 ・補助金対象となる取り組みを実施している。 |
対象企業 | ・会社などの営利法人 ・個人事業主 ・法人税法上の収益事業を行っている ・認定特定非営利活動法人ではない |
対象事業 | ・3密回避などの業態転換 ・衛生対策などの環境整備 ・感染症対策等の新商品・サービス開発 ・移動を控えるための販路開拓 ・人材確保のためのオンライン面等の実施 など |
参考ページ:中小企業リスタート応援事業補助金交付要綱
玉野市空き家改修事業補助制度
玉野市では、少し手を加えれば住むことができそうな空き家を対象に、改修費用を補助する制度があります。空き家の減少、改築に伴い、県外からの移住者の促進も目指しています。
対象者 | ・「空き家情報」に登録されている家の所有者、利用者 ・「空き家情報」に登録されている家を購入する人 ・市税等の滞納がない人 ・市内の施行業者を利用する人 |
対象となる空き家 | ・申請から1年以内に購入、受贈や貸借した住宅 ・一戸建て、併用住宅 ・令和4年2月28日までに実績報告書提出を見込める |
対象金額 | ・補助対象経費の2分の1 ・限度額50万円 |
参考ページ:玉野市空き家改修事業補助制度
RESERVAで自治体業務の自動化、効率化へ
岡山県玉野市では、移住者の増加や地域活性化に向けて、ツアーの開催や、DX化の推進などを積極的に実施しています。
自治体がDX化を進め、必要最低限の人員でホテルなどの運営や、イベントの開催を行なう手助けが可能なサービスが「予約システム」です。当社が提供する予約受付システムRESERVA(https://reserva.be/)は、26万を超える事業者・官公庁に導⼊されている国内最⼤級のSaaS型予約システムであり、人口20万人を超える規模の自治体のほか、人口5万人以下の小規模な市町村でも導入実績があり、最も選ばれている予約システムです。観光施設や、ツアー等の開催の際の会計業務、予約業務の自動化を行なうことにより、効率のよい集客に結び付きます。
地方創生事業への導入事例(各項目概要ページにアクセスできます)
・黒木キャンプ場【宿泊施設・キャンプ場】
・大人の隠れ場グランパパ【キャンプ場】
自治体で活用されている予約サイト紹介
まとめ
今回は、岡山県玉野市の地方創生への取り組みについて紹介しました。これまで各自治体では政策として、地方創生、地域活性化が積極的に実施されてきました。特に近年では、新型コロナウイルス拡大による急激な生活スタイルの変化、テレワークなどの増加に伴って、DX(デジタルトランスフォーメーション)が一般化されてきています。現在の状況を踏まえると、自治体のデジタル化への取り組みが今後の移住者の増加や、地方創生へのカギになると言えるでしょう。ホテルや観光施設、イベントなどの業務をできるだけ自動化して効率性を高めていくためにも、予約システム導入を検討してみてはいかがでしょうか?