コロナ後の事業経営術|大手企業に学ぶ集客戦略とは

コロナ後の事業経営術|大手企業に学ぶ集客戦略とは

更新

新型コロナウイルスが落ち着きを見せ始めた昨今、コロナの収束を見据えて各業界で様々な取り組みが実施されています。現状としてはコロナ以前の生活に戻すよりも、ウィズコロナの中で対応策として発展した取り組みをアフターコロナでも継続する動きが強く感じられます。

例として、飲食業では酒類の提供も含めた営業が全国的に再開しましたが、テイクアウトやデリバリーの需要は引き続き高く、今後もこれらのサービスを継続することが予想されます。よって、コロナ後はテイクアウトやデリバリーを前提とした営業スタイルを選択肢として加えたサービス提供がスタンダードとなっていくでしょう。

観光業やイベントについても、依然としてワクチン接種証明書の活用や密を避けるため人数制限を設けるなどの対策が取られています。観光業ではインバウンド需要の回復を見込んだ動きが見られ、イベントではリアルでの実施を再開しつつもオンラインを併用するなど今後もしばらくこの体制が続くと考えられます。

コロナ後の戦略

コロナ禍での密を避け、非接触を基本とするサービスの形態は、コロナ収束後も標準的なサービスとして展開されることが予想されます。セミナーやイベントでは主にオンライン開催が広く普及した他、密を避ける目的では予約システムの活用や、非接触ではキャッシュレス決済などが代表的です。

一方で、コロナの影響で世間に大きく広まったことにより、コロナに対応したサービスを実装しているのは当然のこととなりつつあります。例えば、予約システムについては、BtoCにおける予約受付は今後も常態化し、BtoBにおいてもシステムの効率化が実現できることが明らかになっています。つまり、

コロナで普及した新しいサービスと自社のサービスや地域の持つ強みとを掛け合わせて、新しい時代に合わせた効率的なサービスの展開が重要です。

予約システムの活用例

大手企業、官公庁では施設や観光資源のアピールとして、予約システムを活用したイベント開催、施設予約受付を展開しています。予約システムを活用することで密を避けることができ、行列を作ることもありません。利用者としても予約制の方が安心して利用できるメリットがあります。

事例①スポーツ施設

「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」(以下、「東京オリンピック」)のメインスタジアムとして記憶が新しい国立競技場はいま、次の利用に向けて原状回復の工事を行っています。この工事は2022年3月末まで予定されており、その間の休工日の利用法として、「フィールド展望」という競技場内の見学会が開催されています。

「フィールド展望」では北側4階の観客席から競技場内のスタンドの一部を自由に見学でき、建築家の隈研吾氏が手掛けた最大級の木造建築を間近に見ることができます。そのほか、実際に敷かれている芝生や表彰台などが展示されており、「東京オリンピック」のハイライトを思い出しながら記念撮影を行えるスポットも用意されています。

国立競技場のフィールド展望は1日に9時から16時の30分ごと15回開催されています。見学には予約サイトから事前予約が必要です。各休工日の5日前の午前0時から予約が始まり、休工日の一覧は公式サイトから確認できます。

公式サイト:国立競技場

事例②官公庁施設

地域の治水施設である「首都圏外郭放水路」の役割を深く知ってもらうための見学会が開催されています。見学コースには施設を代表する地下神殿」と呼ばれる「調圧水槽」を約1時間で見学できるコースに加えて、「調圧水槽」と治水に関わる様々な施設を見学できる2時間ほどのコースなど様々なコースが用意されています。

2021年7月から新コースとしてインペラと呼ばれる巨大な羽根車を見学できる「インペラ探検コース」を開催しています。こちらのコースでは腰まである長靴を身に着けて、実際に水路に入り地下神殿の奥に位置するインペラを見学できます。おおむね週2回開催されていますが、非常に人気のコースのため早めの予約がおすすめです。

見学の予約は予約サイトから可能で、1か月前から受け付けています。見学にはコースによって危険を伴うため注意事項がありますが、防災に関わる施設を見学できる機会はそう多くないので、貴重な体験ができるでしょう。

公式サイト:首都外郭放水路

画像引用元: 首都外郭放水路

事例③大手企業イベント

合同会社Endian(エンディアン)、テレキューブサービス株式会社三菱地所株式会社は、Endianが展開するリラクゼーションドリンクブランド「CHILL OUT(チルアウト)」と新丸ビルの個室型ワークブース「テレキューブ」がコラボした休憩専用ブース「CHILL CUBE(チルキューブ)」を設置しました。

CHILL CUBEはCHILL OUTによるプロジェクトの1つで、「勤労感謝の日」である11月23日をきっかけに“忙しく働くビジネスパーソンをはじめ、日々を頑張るすべての方に、仕事の合間の「チル休み」をお届けしたい”という「CHILL OUT」の想いから発案され、2021年11月22日から26日の期間限定で提供され、利用には予約サイトからの事前予約が必要です。

本来はワークブースである「テレキューブ」の持つ「外部からの音が遮断された静かな環境」「人目が気にならない、自分だけの空間」という性質が心地よい休憩に必要な要素と一致したことから、ワークブースの新しい活用法としても期待されます。

Endian×テレキューブサービス×三菱地所の3社合同企画 【勤労感謝の日】丸の内で森林浴⁉仕事の合間に「チル休み」を提供 期間限定で個室型ワークブースがCHILL OUTプロデュースの憩い空間に!

事例④大手デパート施設内を活用したイベント

Click Holdings(クリックホールディングス)株式会社は2021年11月20日から23日までの期間で、「新宿高島屋」の特設会場にて電動アシスト自転車「HONBIKE(ホンバイク)」の試乗キャンペーンを実施しました。

「日本の自転車業界を変えたい」という想いから開発された「HONBIKE」は、2020年のGOOD DESIGN AWARD グッドデザイン・ベスト100」に選出され、2021年には世界で最も権威のあるデザイン賞の1つ「iF DESIGN AWARD」でプロダクト賞も受賞した注目を集めている電動アシスト自転車です。

今回のイベントは試乗した方に抽選で「HONBIKE」が当たるというもので、これまでは「HONBIKE六本木フラッグシップストア」でしかできなかった試乗体験ができるイベントとなっています。このHONBIKE六本木フラッグシップストアの入場は事前予約制となっており、予約サイトからの申込が必要です。

新宿高島屋1階JR口特設会場で電動アシスト自転車 HONBIKE(ホンバイク)に乗るとプレゼントが抽選で当たる「乗って当てよう!試乗キャンペーン!」を11月20日から実施中。会場で購入も可能です。

画像引用元:HONBIKE公式サイト

事例⑤官公庁イベント

栃木県宇都宮市大谷町に点在する採石場跡で開催された地下空間体験「UnderMuseumChallenge01GATEは地方創生実証実験として人の営みによって作られた自然の空間の魅力を多くの人に伝えたいという想いから企画された地域一帯を巻き込んだ企画展です。

今回のイベントでは、地下空間や地域一帯をモビリティで散策する空間体験と、現代芸術家の栗林隆氏が手掛けた巨大サウナ型アートインスタレーション《元気炉》などのアート体験が主なコンテンツとなっていますが、「Challenge01」の文字通り、今後も地域創生に向けた様々な取り組みを進めていくことが予想されます。

期間限定のイベントで、2021年10月30日から11月23日の土日祝日に開催され、ワンデーパスポートミューモとしてサービスの異なる4種類のパスが予約サイトで提供されています。

公式サイト:UnderMuseumChallenge01GATE

地下空間体験「UnderMuseumChallenge01GATE」巨大地下空間にサウナ型アートインスタレーション《元気炉》が出現!

画像引用元: UnderMuseumChallenge01GATE

まとめ

こうした取り組みはコロナ前よりも広がりを見せており、時間と場所の制限の中で事業者と顧客が事前の約束で取引を交わす世の中になっていきます。予約は今までも存在していましたが、新しい時代のニューノーマルなサービスの1つとして利用されていきます。

コロナが収束してきたとしても、利用者の多くは密集地帯へ出向くことに躊躇するでしょうし、臨時休業などが相次ぐサービス業において、来店・来場前に事前確認が習慣化する心理があります。ここに注力したビジネス戦略がアフターコロナの向こう数年のトレンドとなるでしょう。

予約を活用したビジネス展開は今後民間、官公庁でも広がりをみせることが予想されます。施設利用の新しい形やよりアクティビティに特化したもの、密を避けながら特色を活かしたサービスの展開が重要となります。

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