【NPSを正しく活用するには?】日本・アメリカのNPSと売上高の相関を比較

【NPSを正しく活用するには?】日本・アメリカのNPSと売上高の相関を比較

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「顧客目線に立って、サービスを提供したい」そう考えている事業者様は多く、そのために「顧客満足度調査」というアンケート調査を行っている方も少なくないでしょう。

顧客満足度調査には、CSI(顧客満足度指数)JCSI(日本版顧客満足度指数)NPS(ネットプロモータースコア)の3つの代表的な指標が存在します。その中でも、NPSが近年大きな注目を集めています。
NPSは、企業・ブランド・サービス・商品に対する顧客ロイヤルティを図る指標であり、Google、Amazon、Apple、Facebookなど多くのグローバル企業が業績向上のためにNPSを採用しています。

しかし、「日本ではNPSは低く出やすい」「日本人にNPSは向いていない」など、日本におけるNPSを不審に思う声もあります。
そこで今回は、日本とアメリカのNPSと売上高の相関を、自動車業界の企業を例に挙げて比較していきます。

この記事が自社にNPSを導入するか、他の手段で顧客の満足度を調査するかを決める手助けになれば幸いです。

すでにNPSの概要を理解しており、比較結果から知りたい方は、目次の「NPSと売上高の相関を比較」からご覧ください。

NPSとは?

NPSを導入するメリット

NPSが近年注目されている背景には、「業績との相関性の高さ」があります。
従来の顧客満足度調査では、「このサービスに満足しましたか」というような質問で現状の顧客の満足度を調査していました。
しかしこのような質問内容では、回答が「満足した」「満足しなかった」の2種類しかない上に、過去のサービスに対する評価しかわからないため、「満足した」と回答した顧客がリピーターになる可能性を知ることも難しくなってしまいます。

それに対して、NPSでは「あなたがこの企業(製品/サービス/ブランド)を友人や同僚に薦める可能性は、どのくらいありますか?」という質問で評価するため、顧客が自社サービスのリピーターになるかなどの情報も得られます。

このことによって、

NPSのスコアが高い企業 ≒ 顧客評判が高く、業績の良い企業

という考え方が可能です。

NPSの調査・計算方法

NPSでは、企業側が提示した質問に対し、顧客に0~10点の11段階で評価をしてもらいます。

この方法で集計した顧客の評価は点数ごとに、批判者・中立者・推奨者の3種類に分類されます。

0~6点:批判者(Detractor)
対象サービスに対してネガティブな印象を持っており、周りの人に悪い口コミをする可能性があります。
7~8点:中立者(Passive)
対象サービスに対して中立的な立場をとっており、特に良くも悪くも思っていません。何かのきっかけがあれば他の店舗や企業のサービスに移る可能性があります。
9~10点:推奨者(Promoter)
対象サービスを愛用し、いつも周りの人に薦めてくれます。

そしてNPSは、この3段階評価のうち、批判者と推奨者の割合をもとに計算されます。

NPS = 推奨者(%)-批判者(%)

となるため、推奨者の割合が多くなるほどスコアが上がり、批判者の割合が増えるほどスコアが下がる仕組みになっています。

NPSと売上高の相関を比較

ここからNPSと売上高の相関を比較していきます。今回は、指標を合わせるためにNPSの調査は「Customer.guru – Net Promoter Score for E-Shops and SaaS」を用いて行っています。

Customer.guru – Net Promoter Score for E-Shops and SaaS 公式サイト

日本企業のNPSと売上高の比較

まず、日本企業について見ていきます。
日本企業では、トヨタ自動車株式会社、日産自動車株式会社の2社について比較していきます。
それぞれのNPS、および売上高は以下の表のとおりです。

Customer Guru、Yahoo!ファイナンスの情報より作成

この表を見てわかる通り、トヨタ自動車のほうがNPSは低いにもかかわらず売上高は高く、日産自動車はNPSは高いですが売上高は低い、という結果になっています。

<参考サイト>
Customer Guru “Net Promoter Score > NPS Benchmarks > Consumer Brands / Car Manufactures > Toyota”
Customer Guru “Net Promoter Score > NPS Benchmarks > Consumer Brands / ELECTRONICS > Nissan”
Car Watch「トヨタ、2013年3月期通期の営業利益は271.4%増の1兆3208億円、純利益は239.3%増の9621億円」
日産自動車ニュースルーム「日産自動車、2013年度決算を発表」

米国企業のNPSと売上高の比較

次に、米国企業について見ていきます。
米国企業では、ゼネラルモーターズ(General Motors Company)とフォードモーターカンパニー(Ford Motor Company)の2社について比較していきます。
それぞれのNPS、および売上高は以下の通りです。

Customer Guru、Yahoo!ファイナンスの情報より作成

2企業の間のNPSに6の差があり、売上高の差も46億5900万ドルあります。表からわかる通り、NPSが高いFord Motorのほうが比較的NPSの低いGeneral Motorsよりも売上高が高くなっています。

<参考サイト>
Customer Guru “Net Promoter Score > NPS Benchmarks > Motor Vehicles and Parts > General Motors”
Customer Guru “Net Promoter Score > NPS Benchmarks > Motor Vehicles and Parts > Ford Motor”
Yahoo!ファイナンス「株式>ゼネラルモーターズ>業績」
Yahoo!ファイナンス「株式>フォード・モーター>業績」

4企業のNPS、売上高の相関比較

Customer Guru、Yahoo!ファイナンスの情報より作成

4企業のNPS、売上高の表は上のようになっています。ここでいう「相関」は、「(NPSの高い企業の売上高-NPSの低い企業の売上高)÷NPSの低い企業の売上高」で、少数第三位を四捨五入して算出しています。

この表からわかる通り、日本の2企業はNPSと売上高の間に負の相関があり、アメリカの2企業はNPSと売上高の間に正の相関があります。

NPSはアメリカの企業と比べて高く出ているのですが、売上高にそのスコアが直結していません。この理由については、アメリカのほうが商品を厳しく評価しており、それによってNPSは低く出るものの、商品の質が正しく評価されて売上高につながっている、などの考察ができます。

日本企業がNPSを正しく活用するには?

以上の結果から、NPSが売上高に直結するわけではない、ということがわかりました。もちろんスコアが高いに越したことはないのですが、日本企業がNPSを正しく活用するにはどうすればよいのでしょうか。ここでは、例として活用のアイデアを提示します。

NPSを、企業のレビュー評価と同様に扱うのがおすすめです。普通のレビュー評価は★1~5までの5段階評価が主であるのに対し、NPSは11段階での評価であるため、より詳しく顧客の評価を確認できます。
さらに点数帯によって批判者、中立者、推奨者の3段階にも分類できるため、
批判者(0~6点)が多い場合:どのように中立者まで持って行くか
中立者(7~8点)が多い場合:どのように推奨者まで持って行くか
推奨者(9~10点)が多い場合:どのように飽きさせないサービスを提供するか
などのように、場合に応じて業務の方針を決められます。

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まとめ|関連記事

いかがでしたか。今回は、NPSの効果について、日本、アメリカの企業を例に挙げて説明、考察しました。
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