キャンセル料を支払わない顧客への適切な対処法とは?トラブルを防ぐ効果的な対策も詳しく解説!

キャンセル料を支払わない顧客への適切な対処法とは?トラブルを防ぐ効果的な対策も詳しく解説!

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キャンセル料を支払わない顧客とのトラブルは、どの業種でも避けたい課題のひとつです。無断キャンセルが続出し、キャンセル料を回収できなければ、企業は大きな損失を被ります。また、キャンセルポリシーが不明瞭であったり、顧客が納得できない場合には、企業の評判が悪化する可能性があります。そのため、企業は適切な対応と事前の対策を講じて、顧客とのトラブルを未然に防ぎ、円滑な取引を維持することが求められます。

本記事では、キャンセル料の基礎知識とキャンセル料を払わない顧客への適切な対処法、効果的なトラブル防止策について詳しく解説します。

キャンセル料の基礎知識

支払い義務の有無

民法 第四百十五条に定められた規定により、利用者がサービスの申し込みを行い事業者が同意して契約が成立した時点で、利用者には支払い義務が生じます。

第四百十五条

債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

2 前項の規定により損害賠償の請求をすることができる場合において、債権者は、次に掲げるときは、債務の履行に代わる損害賠償の請求をすることができる。

一 債務の履行が不能であるとき。

二 債務者がその債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。

三 債務が契約によって生じたものである場合において、その契約が解除され、又は債務の不履行による契約の解除権が発生したとき。

引用:e-Gov法令検索「民法」

無断キャンセルにより企業に損害が発生した場合、債務不履行に基づく損害賠償請求権により、事業者は顧客にキャンセル料を請求することが可能です。

なお、債務不履行の理由が、社会通念上債務者の責めに帰す事由ではない場合は、例外的に損害賠償の支払い義務が免責されることがあります。例えば、キャンセル理由が大規模な自然災害での被災の場合や、契約内容が公序良俗に反する場合、社会的に認められた公平性を逸脱する場合などです。

平均的損害を超えるキャンセル料は請求不可

キャンセル料金の設定について、明確な法的規定は存在しません。キャンセルによって失う利益や別の予約が入る確率などをもとに、各施設の実情に合わせて設定します。

なお、消費者契約法第9条第1号の規定により、平均的な損害の額を超えるキャンセル料金は超過部分の請求が無効となるため、注意が必要です。設定しているキャンセル料が平均的な損害額かどうかを確認したい場合は、弁護士への相談を推奨します。

キャンセル料請求の手順

①請求内容の整理

キャンセル料を請求する際の最初の手順は、請求内容の整理です。顧客との契約内容をもとに、請求する金額を正確に算出します。その際、キャンセルポリシーに従った料金の計算や、必要に応じて追加費用の有無を考慮することが大切です。また、キャンセルが発生した日付や契約日を記録し、請求根拠を明確にします。この整理作業は、顧客に対して透明性を持った請求を行うための基盤となります。

②請求書の作成

請求内容が整理できたら、請求書を作成します。請求書には、企業名や顧客名、請求日、キャンセル理由、請求金額、支払期限、支払い方法などを明記します。契約に基づくキャンセル料の根拠を説明する一文を分かりやすく簡潔に記載することで、顧客との交渉を円滑に進められます。

③顧客への連絡

請求書を作成したら、顧客に対して請求内容を連絡します。電子メールや郵送での通知が一般的ですが、状況に応じて電話での連絡も検討します。連絡時には、請求書を添付し、キャンセルポリシーに基づく支払い義務を明確に説明することが重要です。顧客が理解しやすいよう、丁寧にコミュニケーションを図ることが求められます。

キャンセル料が未払いの場合における対処法

期限内に入金が確認できなかった場合には、法的手続きを行う必要があります。具体的な方法としては、内容証明郵便や簡易裁判所による支払督促、少額訴訟制度等の利用が考えられます。いずれも法的な知識が必要とされるため、債権回収の経験豊富な弁護士に相談し、対応を進めてもらうことが大切です。

なお、故意の無断キャンセルは威力業務妨害罪(刑法第234条)にあたる可能性があります。業務を妨害する目的で無断キャンセルを繰り返すような悪質なケースが発生した場合には、法的措置を視野に入れ、弁護士と対応策を協議することが求められます。

また、民法第五条により、債権の消滅時効は5年もしくは10年と定められています。

第五条

債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

 債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき。

 権利を行使することができる時から10年間行使しないとき。

引用:e-Gov法令検索「民法」

時効期限を過ぎると損害賠償請求ができません。そのため、キャンセル料の未払いが生じた際は、迅速に弁護士へと相談することが望ましいです。

キャンセル料に関するトラブルを防ぐための対策

キャンセル規定(キャンセルポリシー)の策定

主な対策として、キャンセル規定(キャンセルポリシー)の策定が存在します。キャンセル規定を定めておくことで、キャンセル発生時には迅速に対応を進められます。

策定方法に規定はありませんが、すべての契約者に対する公平性を保ちつつ、企業の実情に即した規定の整備が理想的です。主に下記について定めておくことが望ましいです。

  • キャンセル可能な期間
  • キャンセル料規定表
  • 緊急事態発生時の対応

キャンセル料の設定は、キャンセル時期に応じたものとするのが一般的とされています。利用日まで数週間ほど前のキャンセルであれば新たな契約を獲得できる可能性が高いですが、直前キャンセルの場合はキャンセル枠で新たな契約を獲得できる可能性が低く、材料費や人件費の損失が生じやすくなるためです。

また、キャンセル規定は、契約者の目につきやすい場所に記載することが大切です。インターネット予約の場合、「キャンセル規定に同意する」というチェックボックスを設け、予約者の確認を促す必要があります。予約確認メールへの記載も有効です。

事前決済性の導入

無断キャンセルの予防措置として、予約時の事前決済制を導入するのも有効な方法です。

事前決済制とは、顧客が予約時点で料金支払いを済ませるシステムを指します。決済代行サービスや予約管理システムを活用して事前決済制を導入することにより、予約の段階でクレジットカードなどから料金を回収することが可能です。事前決済性の導入は、顧客の無断キャンセル防止に効果的です。また、無断キャンセルが発生した場合でも、企業は支払い済みの料金の中からキャンセル料を確実に回収できます。

キャンセル料に関するトラブルの防止に効果的な予約システムRESERVA

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画像引用元:RESERVA公式サイト

事前決済制を採用する場合は、予約システムRESERVAの導入をおすすめします。

RESERVAは、導入数30万社を誇る、予約システムシェア国内トップクラスのクラウド型予約システムです。業界・業種問わずあらゆるビジネスに対応しており、350種類以上の業態で活用されています。アカウント発行から予約システム作成完了まで最短3分で導入費用は無料です。永久無料で使えるフリープランもあるため、導入コストを低くしたい・使用感を確かめてから導入したいといった事業者におすすめです。

また、RESERVAは、無断キャンセルの防止に役立つ機能を数多く搭載しています。

オンラインカード決済機能(レゼルバ)

RESERVAでは独自の事前決済システム「レゼルバペイメント」を導入しており、予約時にクレジットカードによる事前決済が可能です。予約時点で決済が完了しているため、直前キャンセル・無断キャンセル防止に役立ちます。また、会計業務の負担軽減や業務効率化にも効果的です。

オンラインカード決済機能について詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
オンラインカード決済機能でお会計を効率化しよう!【RESERVA機能紹介】

キャンセル料設定機能

キャンセル料設定機能では、キャンセル料が発生する日数、キャンセル料金を自由に設定できます。この機能を事前決済とあわせて活用することで、予約者がキャンセルした際に、キャンセル料を自動で徴収することが可能です。

またRESERVAではキャンセルポリシーを作成し、予約画面や予約完了通知メール内に記載することできます。

予約リマインドメール

RESERVAの予約リマインドメール機能を活用することで、予約者に対して予約日時の確認を促すために配信するメールを自動で送信できます。

リマインドメールを受け取ることで、忘れていた予約を思い出してもらえるため、直前・無断キャンセルを防ぐほか、予約者への気遣い・ホスピタリティを演出する効果があります。

以下の記事では予約リマインドメールを作成・配信のポイントをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
予約リマインドメール機能で無断キャンセルを防止【RESERVA機能紹介】

キャンセル待ち機能

キャンセル待ち機能とは、予約枠にキャンセルが生じた際に、キャンセル待ちをしているユーザーに対して通知する機能です。

万が一、直前キャンセル・当日キャンセルが発生した場合でも、その予約枠にキャンセル待ちをしているユーザーがいれば、すかさず予約を埋めることができます。

キャンセルが発生した際は、手動でキャンセル処理を行う必要がなく、キャンセル待ちしているユーザーへの通知から、予約完了まで自動で行われるため無駄がありません。

キャンセル待ち機能について詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
キャンセル待ち機能で機会損失を防ぐ【RESERVA機能紹介】

まとめ

本記事では、キャンセル料の基礎知識とキャンセル料を払わない顧客への適切な対処法、トラブル防止策について詳しく解説しました。キャンセル料に関するトラブルを防ぐための対策としては、事前決済性の導入が効果的です。特に、予約システムRESERVAは、無断キャンセルの防止に役立つ機能を数多く搭載しています。

無断キャンセルにお悩みの人は、ぜひ本記事を参考にしてください。

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